飲食業界で働く方の多くが目標にする「独立開業」。
独立すると決めてから実際経営に至る中で起こる問題を質疑応答形式でお答えします。
開業時の返済が残っていますが、リニューアルに伴う再借入は可能でしょうか?
飲食店経営5年目で移転拡張リニューアルと、そのための借入を予定しています。保証協会で開業時の借入が残っており、月々の返済額を減らせたら…と思っておりますが、可能でしょうか?返済遅延はなく、あと2年半で完済です。ちなみに赤字はないのですが、毎年個人収入はゼロ、もしくはそれに近い額で申告しております。(40才/男性)
借り換えは可能です。借り換えのための準備と計画を慎重に実行しましょう。
事業も順調に進み、良い物件と出会えて移転拡大されるご様子に期待が持てます。7年の借入も半分以上返済していることですから、保証協会も事業計画次第で追加融資を承認してくれることでしょう。その際にどのように返済していくか、金融機関の担当者とよく相談するべきポイントは以下の3つです。
- 事業計画は万全か?
これまでの実績は重要ですが、肝要なのは移転後の事業計画書です。時代背景、市場動向、ポジショニング、顧客意識、競合分析、自社の強み弱み、収支計画、商品コンセプト、人員採用&育成など…。我々を取り巻く環境は常に厳しい状況にあるはずです。将来を見据えた骨太な事業計画書をご用意ください。
- 早期返済?月々の返済額の抑制?
返済残額がありますので、それを含んで返済することになるかと思います(又は借り換え)。その際、どちらの方法を選択するかは金融機関の担当者とよく相談してください。
(ア)事業拡大するので、返済額を増額して早期返済を計画する
(イ)月々の返済を維持又は減額するために支払期限を延ばす
(支払金利が増えます) - 返済だけでなく内部留保も意識して
借入で出店することは決して悪くありません。しかし、将来のことを考えると会社(店舗)に内部留保することは必要です。急な資金繰難、修理や事故等の突発的な支払対応、次回以降の出店や攻めの事業展開のための資金等はある程度手元にあるほうが安心できます。また、金融機関の評価も変わります。