PROFILE
Kenji Kobori
1976年、東京都生まれ。20才のとき飲食の世界へ。和食店、焼肉店等で経験を積み、2004年8月、本誌をきっかけにメッドコミュニケーションズ(株)に就職。入社10ヶ月で料理長に抜擢される。2014年1月「九楽々 青山外苑前店」他、5店を統括する総料理長に就任。
2015年6月掲載
本誌から第一歩をスタート 総料理長にキャリアアップ
小堀氏は「九楽々 青山外苑前店」をはじめ、全5店舗を統括している。昨年、3代目総料理長に就任。実はそのキャリアアップの第一歩は本誌がきっかけだった。
「千葉で料理長の経験もありましたが、東京で勝負したいと考えていました。『グルメキャリー』から6社くらいピックアップして、面接を受けた1社目がここです。刺身の盛り合わせに生け花を取り入れたり、玉手箱のように煙が出たりという遊び心のある演出に衝撃を受けました。お客様を感動させるような料理を自分も手がけたいと思い、入社を決めました」
最短の10ヶ月で料理長の抜擢を受ける。理想的なスタートのようだが、内心では「恐ろしさ」を感じていたという。
「肩を並べる料理長は皆、そうそうたるメンバーばかり。自分ではできるほうだと思っていたのに、レベルが違いすぎました。改めて自分は凡人だと気づきました」
かえって鼻っ柱をへし折られることになったが、それでも、決して気負けはしなかった。
「知ったかぶりをせず、先輩方に素直に学ぼうとしました。真似したい料理の作り方や食材の使い方など、教わることばかりでした」
20代後半で「それまで以上に勉強する機会に恵まれた」と振り返る。このときのプライドをかなぐり捨てた努力が、現在の小堀氏の土台になっているにちがいない。
「管理する5店舗それぞれの個性を活かせるよう、好きにやってもらっています。部下全員を背負う覚悟はできていますから」
そう語って笑顔から一転、小堀氏は表情を引き締める。同じ道を歩む多くの人々に向けて、力強いメッセージを送ってくれた。
「和食が文化遺産になり、学びたいという外国人が増えてきました。日本の若者は追い抜かれてしまうのではないかと感じています。チャンスは自分で掴むもの、教えてもらうのではなくアグレッシブに自分から教わろうという姿勢を持ってもらいたいですね」
- 九楽々 青山外苑前店
- 住所:東京都港区北青山2-7-25 神宮外苑ビル1F
- 電話:03-3475-3300
- 時間:月~金/11:30~14:30
月~木/17:00~23:30
金曜日/17:00~24:00
土曜日/17:00~23:00
- 休日:日曜・祝日
- 交通:地下鉄銀座線「外苑前駅」3番出口より徒歩1分
- http://med-com.jp/food/
- 文:西田 知子
- 写真:yama