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タイトル

第16回 よし房 凛

2012.9.20
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根津に発見!そばの名店。行列になるのも、なっとくの美味さ。

根津神社入り口交差点角、風情あふれる格子の窓、引き戸を開けると、女将の良子さんが笑顔でお出迎えしてくれて。でも、あいにく満席だったのでした(汗)。

子供連れファミリー、初老のご夫人グループ、近所のおじさんなど、地元の人たちがおいしそうにそばを口に運んでいる。あぁ地元に愛されているんだなぁと、すぐに分かりました。

しばらくすると席が空き、すかさず天せいろをオーダー。

白いそばの断面に、玄そばの粒々がちらほらと見えます。夜空にきらめく天の川のように、とても表情のあるそばに仕上がっています。口に入れると、香りと共に野趣あふれる味わいが同時に広がり、のどごしも滑らか♪

ストレートのど真ん中。私好みのそばなのでした!

せいろ用のそばつゆに、ネギとわさびはつきものですが、こちらでは辛味大根までついてきます。そばファンにはうれしいですよね。

大きな海老天、キス、プチトマト、しいたけなど、たっぷりと盛り付けられた天ぷら。サクっと軽めのコロモ加減で、そばとの相性もバッチリ! 夜は天ぷら盛り合わせで大吟醸を一杯なんて、粋ですね。

食べ終わると、おなかいっぱい!

おおっと、忘れてはいけませんね。そば湯タイムです♪ そば猪口に注ぐと、トロみのある白いそば湯が流れ出てきました。鍋からすくったそば湯に、そば粉を足すというひと手間もうれしい。サラリと甘く、焼酎で割りたくなるそば湯です。

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独立者も輩出。そば職人であり、次世代を育てる親方でもある。

山梨善一さんは、実家がおそば屋さんを営んでいたにも関わらず、大学卒業後、アパレル業界に就職しました。

しかし、やはり親の仕事を継ぐのもいいなと思い、住み込みで修行に出たあと、実家のそば屋さんで7年もの間、務めました。

「出前もやるような、昔ながらの街場のそば屋だったんですね。すると、だんだん欲が出てくるというか、もっとうまいそばをつくるにはどうしたらいいんだと、職人的な探究心がわいてきたんです。それで名店といわれるお店に入って、3年間勉強させてもらったんです。泥つきの玄そばを仕入れるようなお店だったので、生産者のご苦労や製粉についてとても深く学ぶことができました」

2003年にオープンして以来、親方として若いそば職人を育ててきました。独立して、浦和でお店をオープンさせた人もいます。

現在は、ふたりのスタッフが日々、そばづくりを学んでいます。

「私はきびしい親方だと思います。そばづくりは回数をこなすことも大事なので、入ったばかりの新人でも、一日一回はトレーニングとしてそばを打ってもらっています」

北湯口さんはまだお店に来て、数日しか経っていないのにもうそば打ちを練習中でした。

丸山さんも、修行中のひとり──「山梨さんは、生涯の師匠だと思っています!」

そばの食文化を後継に伝える山梨さんと、それに必死についていくおふたり。「よし房 凛」から、次の世代のそば職人が誕生する日は決して遠くなさそうです。

玄そばが2割入ったそば。白さのなかに粒も見えて、とても表情のあるそばに仕上がっています。

未来のそば職人、新人の北湯口さん。早くもそば打ちのトレーニング中! がんばれ!!

漆喰の壁、和紙のメニューなど、おちついてそばを食べられる和の空間でした。

店舗情報
よし房 凛
東京都文京区根津2-36-1
tel.03-3823-8454
営:ランチ11:00~15:00(L.O.14:45)
     ディナー17:30~21:00(L.O.20:30)
     日曜日11:00~15:00
休:火曜日
交:東京メトロ千代田線根津駅徒歩5分
<予告>次回のリレーキーワードは?
「よし房 凛」大好きな居酒屋さん「いちなか」

お昼はいつも満席状態。夜は電話予約を受けてくれるため、焼き味噌をなめながら日本酒を一杯、そばで〆る、なんていう楽しみ方もおすすめです。さて次のお店は? 「綾瀬の『いちなか』さん、安くておいしい居酒屋さんで、女房のお気に入りでもあります(笑)。焼酎も取り揃えていて、食材にもこだわっている。おすすめです」とのこと。ありがとうございます。それでは次回も千代田線沿線からお届けいたします。

文:高木 正人
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