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タイトル

第52回 幸大 蒔田店

2014.4.3
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80年代の歌謡曲もおつまみ♪鮮度バツグンのモツ焼きは絶品。

横浜市蒔田のちょっとさびれた商店街。そこに、1店舗だけイキイキとしたオーラを放つ外観が現れます。

商店街を歩きつかれたお年寄りのために、店の外にベンチを設置。地域貢献も忘れません。

キンミヤ焼酎のロゴマーク、月桂冠の座布団、色褪せたキリンビールのポスターなど、昭和をイメージした店内は、なぜかほっとやすらぎます。

おおっと、BGMは80年代の歌謡曲が……。

人なつこそうな笑顔で、この店の名物料理モツの煮込みの仕上がり具合を確かめる山澤大さん。

もじゃもじゃのヘアスタイルも不思議な味わいがありますね。お客さまからは「ダイちゃん」と呼ばれています。

「あまり人通りのない商店街でしょう? でもだからこそチャレンジしようと思いました。この立地で成功すれば、あとあと自信にもつながるし、2号店をやるときもいろいろとノウハウができると思ったんです」

オープンしたのは2011年。

仕事帰りにちょっと一杯やりたい40代の地元人にとって、この空間はどこか懐かしく癒されるのです。おまけに、モツ焼きは1本90円! メガハイボールだって600円なのだ。飲んで食って、二千円あれば十分!

「毎日通っていただける店をつくりたかったんです。食材には自信あります。その日仕入れたモツはその日のうちに売り切ります。毎日、必死ですけど、いいお客さまに支えられて楽しく仕事をしています」

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サラリーマン経験を通して、本当にやりたい仕事を知る。

学生時代から食べ歩きは好きだったけど、山澤さんは飲食を仕事にしようとは思っていませんでした。学校の卒業と同時に、一般の会社に就職しました。

でも、はじめて配属されたのが、工場の生産ラインの現場でした。

「会社からは実際の生産に関わって、製品を理解してほしいと言われたんですけどね。言われたまま、毎日ベルトコンベアの前で次から次へと運ばれてくる電子パーツとにらめっこ。それが1年つづいたんですね。そうすると、人としゃべることに飢えてくるんです。人と接したい。話がしたい。ある種の飢餓状態みたいな感じです。で、そのとき思ったんですね。あっ、俺は人が好きなんだ!って。こういう無機質な仕事じゃなく、自分が納得できる仕事はもしかしたら他にある。それは飲食じゃないかってね」

外食企業でカクテルを学び、鶴見の「もつ焼き 幸太」での仕事を通して、本格的な独立準備に入りました。

人と接すること、話すことが好きな「ダイちゃん」は、ほんとうに自分がやりたい仕事を見出したのです。

「カウンター越しにお客さまとお話ししていると、こちらもほっとするんです。必死でやれば、全部自分にかえってくるというのも、飲食の仕事の素晴らしさだと思います。今はひとりで店を回しているのでいろいろと大変なんですけど、でも『煮込み、うまかったょ』『また来るね』なんて言われると、あぁこの仕事サイコーって思えるんです」

「幸せを感じてもらえたら、私達は大きくなれる」。店名とからめたメッセージをTシャツに刻んでがんばります。

秘伝のダシを継ぎ足して使っている究極の「煮込み」。えっ!こんなに、と思うほどの大盛りスタイルで提供されます。

80年代歌謡曲を聴きながら、カウンターでモツ焼きで一杯なんてオシャレ♪ グループ用に、テーブル席もありました。

店舗情報
幸大 蒔田店
横浜市南区榎町2-36
tel.045-714-0218
営:17:00~24:00
休:日曜日
交:市営地下鉄ブルーライン蒔田駅徒歩5分
<予告>次回のリレーキーワードは?
「幸大 蒔田店」横浜つながり「ワイン食堂 ツルカメ」

地元、横浜で仕事を楽しんでいる山澤さんの充実ぶりが伝わって来た取材でした。モツの煮込みは、コクがありながら意外とすっきりとした味わい♪ ごちそうさまでした。さて、次のお店は?「横浜ビジネスパークの近くにある杉本さんのお店『ワイン食堂 ツルカメ』さんをご紹介したいですね。とても穏やかなシェフで、ワインと料理はどれも最高です」。ありがとうございます。それでは次回も、横浜でお会いしましょう。

文:高木 正人
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