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ムトウ コーヒー ロースタリー

第84回ムトウ コーヒー ロースタリー

2015.9.3
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コーヒーのクリーンなおいしさを追求するために。

コーヒーのクリーンなおいしさを追求するために。

入荷したばかりのコーヒー豆に思わず笑顔がこぼれているのは、オーナーの武藤修一郎さん。テレビのCMプロデューサーとして28年もの間、活躍をされてきました。

小学生のころからコーヒー好き。おやつの横にはいつもコーヒーがあるような家庭だったそうです。いつかは、コーヒーのお店を開業したいと夢を育ててきました。

「2000年代にはいり、多くの人が産地の国や農場、焙煎や品質でコーヒーを語る時代がきました。スペシャリティコーヒーの時代の到来にワクワクしたんです。そのあたりから、本格的にコーヒーについて勉強をはじめようと思いました」

テイスティングのスキルを高め、コーヒー文化の知識を学ぶため、コーヒーの卸会社で5年間の修行をしました。そして独立──。

生まれ育った中野にいい物件が出て、スケルトンからの空間づくり。

コンセプトは、世界から選りすぐりのコーヒー豆を販売・テイスティングする場であること。天然木の素材感を活かした店内は、コーヒーファンならずとも、コーヒーに触れ、知識を深め、実際に味わうことのできる、ゆったりとしたスペースになっています。

麻袋に入った生豆。オランダ「GIESEN」社の焙煎機。焙煎のときに発生する煙を消去するマシンも導入してご近所への配慮も。焙煎したての豆はショーウインドウで販売されます。

人気商品は、3種類から選べるオリジナルブレンド。

「果実の爽やかな酸味と甘みのアロマで、後味すっきりのもの。香り、コク、キレ、苦み、酸味が調和した芳醇な味わいのもの。にごりのない苦みとコク、やわらかな甘みのある余韻を楽しめるものを、ご用意しています。ハンドドリップしたコーヒーのテイクアウトもはじめました」

もちろん店内でもいただくことができます。私も実際にオーダーしてみました。

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ドリップの方法をカウンター越しに見学。そのコツとは?

ドリップの方法をカウンター越しに見学。そのコツとは?

私は「しっかりと酸味を味わいたい」とオーダー。武藤さんは、ゆったりとした身のこなしで、IHコンロでお湯をわかしながら、ペーパーフィルターに焙煎した豆を投入します。

沸いたお湯は、燕三条の職人がつくった銅製のポットへ移しかえられます。この課程で、お湯の温度は約90度前半くらいに下がるのでしょうか。

そしてポットの細い口からフィルター内の豆に向かって、お湯が注がれていきます。

あ~ぁ。と私は思わずため息。これまでの自分のドリップ方法が間違っていたことに気づかされてしまったからです。

武藤さんは、ほぼ真ん中めがけて慎重にお湯を注いでいくではありませんか。お湯が投下される範囲の直径は5百円玉程度の大きさ!

「ペーパーフィルターの縁を這うように、クルクルと輪を描きながらドリップする方は多いですよね。ただ、ペーパーフィルター沿いにお湯を通してしまうと、お湯は豆を通過せずそのまま下へと落ちてしまい、豆の旨みを抽出することができないんですょ」

フィルターのほぼ真ん中が泡のかたまりとなって膨らんできました。うわー、すごい。ハンバーグみたい(笑)

作家もののカップに煎れられて、オリジナルブレンドの完成です♪

とても持ちやすいカップですね。そして、しばらく飲んでさらに温度が下がると、うわぁ酸味が立ち上がってきた。う、うまい。私ごのみ♪

にっこりと微笑む武藤さん。ゆったりとした空間に似合って、笑顔も身のこなしもとても自然体でスローな感じ。ゆるい時間が流れます。楽しくコーヒーの淹れ方を勉強させてもらいました。ごちそうさまです!

機関車みたいに見えるのはオランダ「GIESEN」社の焙煎機です。焙煎時に発生する煙は消煙消臭機で取り除くというご近所への配慮も。

この泡を見よ! 燕三条の職人がつくった銅製のポットからゆっくりと注がれるお湯を含んでふんわりと盛り上がっていますね。

入り口に豆を販売するコーナーがあり、その奥では実際にコーヒーをいただけるスペースが。武藤さんとのコーヒー談義も楽しそう♪

店舗情報
ムトウ コーヒー ロースタリー
東京都中野区中野3-34-18
tel.03-6382-5439
営:11:00~20:00
休:木曜日
交:各線中野駅徒歩3分
<予告>次回のリレーキーワードは?
「ムトウ コーヒー ロースタリー」香りつながり「スパイシーレストラン アチャラナータ」

翌朝、武藤さんのドリップ方法を真似て煎れてみたら、いつもよりおいしいコーヒーになりました。コーヒーって楽しい!と、思わせてくれるお店でした。さて、次回のお店をご紹介いただきました。「私の大好きなスリランカカレーのおいしいお店です。おすすめです」。ありがとうございます。コーヒーの香りとカレーのスパイシーさ。ジャンルは違いますが、深い世界が広がっていそうですね。それでは次回も中野から、「スパイシーレストラン アチャラナータ」さんのレポートです。

   
文:高木 正人
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