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ロゴ オープン1ヶ月前から、スタッフたちと手づくりで仕上げた空間は、全員の想いと愛着がいっぱい詰まっている。オープンして1ヶ月後──。おもてなしの表現と、お客さまの笑顔で、その空間は早くも色づきはじめていた。
文:高木正人 写真:ボクダ茂

2013年6月掲載

カフェとレストラン、ふたつの表情でデビュー。

カフェとレストラン、ふたつの表情でデビュー。

 数々の名高いレストランで実績を積みあげてきた成松シェフが、満を持してオープンさせた「パフューム」。独立の準備に入ったのは1年ほど前だったが、実際の施工工事はグランドオープン迄、わずか1ヶ月ほどで仕上げた。
「内装業者なしで、仕上げたんです。私とスタッフたちによる、正真正銘、手づくりの店づくりでした。階段からのアプローチである床のタイルを貼って、店内の壁面には珪藻土を塗って。スタッフが一生懸命に絨毯を張ってね。オープンまであと1ヶ月しかないなかで、なんとか空間を仕上げることができました」
 デザインには、古くからの友人でもある画家の望月文人さんが参加した。
「カフェとレストラン、両方に彼のアートを飾りました。その他にも、テーブルクロスや椅子などの選択など、全体のデザインをプロデュースしてもらいました。オープン後、手づくりだけあって、スタッフみんなの愛着もひときわ大きいんですね。ちょっと絨毯が汚れただけでみんなで拭いたり(笑)。店をつくったというより、お客さまを招く私たちの自邸をつくったようなイメージでしょうか」
 成松シェフにとって、今回のチャレンジのひとつはレストランにカフェを併設したことだ。
 アイドリングタイムなくお客さまをお迎えでき、食材を効率よく利用できるなど、カフェがあることのビジネス上のメリットは大きい。
「普段使いでカフェを利用していただき、週末はレストランで、といったように、ふたつの空間があることによっていい相乗効果が生まれたら、と思っています。また、レストランで使っている食材を導入して、これまで味わえなかった“ワンランク上のカフェ”のメニューを開発していきたいですね」
 事あるごとに、店内のあちこちでスタッフたちのミーティングが行われていた。地元に愛される店であるために、何をすべきかをみんなで話し合っているのだ。
「絵に例えるなら、ようやくキャンバスができあがったところ。これから色をつけていくことになります。私も経営者の勉強をしながら、成松スタイルのクラシックフレンチを追求していきたいですね」

旧友でもある画家・望月文人さんとデザインした店内はシンプル&モダン。ご本人の大きな絵も飾られている。スタッフと共につくりあげた空間は、オープン前からすでに愛着いっぱいだ
美しく盛り付けられたレストランメニュー「マルキーズショコラ マルカルポーネのアイスクリーム」は、成松シェフが「レ・ザンジュ」時代に磨いたデザートの技が凝縮されたひと品だ
レストラン パフューム
東京都品川区東五反田4-7-29 NK五反田ビル1F
電話/03-6450-4205
交通/地下鉄絵都営浅草線「高輪台駅」徒歩4分、各線「五反田駅」徒歩6分
□オープン日
2013年4月2日
□客席数/店舗面積
レストラン 24席、カフェ 18席
□営業時間
レストラン 11:30~15:00/17:30~23:00
カフェ 11:30~23:00
□従業員数
正社員5名
□客単価
レストラン L.3500円~/D.10000円~
カフェ L.1500円~/D.3000円~
□ターゲット層
ビジネスパーソン、地元のファミリー
□定休
不定休
□独立準備開始時期
2012年3月
□施工開始時期
2013年3月
□資金調達方法
自己資金+金融機関
□トータル開業資金
4000万円

profile

成松 真悟 Shingo Narimatsu
1974年、横浜市生まれ。「ホテルニューオータニ」、「レ・ザンジュ」副料理長就任などを経て、フランスへ。南仏「グラース バスティード サンタントワーヌ(1ッ星)」のジャク・シボワ氏に師事。帰国後は「表参道 バンブー」副料理長就任、「銀座ラトゥール」オープンより副料理長に就任。清水忠明総料理長と共にミシュラン1ッ星獲得に貢献。

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