

代官山の閑静な住宅街の中にひっそりと店を構える「代官山 鮨 たけうち」。夢だった自分のお店を立ち上げてまだ、数ヶ月……。おだやかな雰囲気の店主、竹内準氏の寿司に対する深くて熱い思いとは? そして、今後の展望とは?
2017年10月掲載
寿司道を守りつつ、いつかは世界を目指したい
代官山の裏路地に凛と佇む「代官山 鮨 たけうち」の店主、竹内準氏は36才の若さで今年の7月に独立を果たした。
「小さい頃から料理は好きだったのですが、寿司に目覚めたのは大学時代、海外で仕事をしていた父と南米ボリビアに行ったときでした」
この時に、日本から遠い国でも寿司が喜ばれていることを知り、寿司は世界で通用する料理だと確信した竹内氏は、大学卒業後に調理師学校に通い、銀座の寿司屋で本格的な修業をはじめた。
「当時から自分の店を持つことが夢でした。分野は寿司一本で、他の料理に心が揺れたことは一度もありません。根っからの寿司好きなので」
銀座で約10年、代官山で約4年の修業を経て、その夢は具体化してくる。
「独立に向けて動き出したいちばんの理由は、自分に自信がついたことです。最後に修業していた店が代官山で、活気のあるおしゃれな土地柄の良さを目の当たりにしていたので、自分の店も代官山がいいと思いました」
こうして今年の7月、「代官山 鮨 たけうち」を開店した竹内氏だが、彼の考える寿司道はいたってシンプルだ。
「おいしいものを提供することはもちろん、居心地のいい店内、清潔さなども心がけています。あとは、料理やお客様に対して頭を柔らかくすること、そして常に勉強していたいです」
毎朝、築地に出向き、その日のいい食材を選び、そこからメニューを考える。「代官山 鮨 たけうち」では、今後、天ぷらや肉料理を加えることを考えている。そんな彼が抱える今の課題は。
「なかなか休憩をとることができていないので、早く従業員を増やしたいですね。今は忙しくてもうまく調整する方法を考えなくてはいけないと思っています。そしていつかは、世界に通用する寿司を目指していきたいですね。味はもちろん、美しい所作、無駄のない動き、どれをとっても寿司は世界に誇れる食べ物だと思っています。この道はまだまだ奥が深いです」
大好きな寿司一筋で、脇目もふらずに歩んできた竹内氏。その愛情はこれからきっと世界へと羽ばたいていくであろう。


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電話/03-6455-0080
交通/東急東横線「代官山駅」より徒歩5分、各線「渋谷駅」より徒歩10分
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profile
竹内 準 Hisashi Takeuchi1980年、島根県生まれ。高校卒業後、東京農大に進学するために上京。在学中、父親の仕事(JICA)の手伝いを通じて、和食の魅力にハマり、夜間の調理師学校にも通い始める。その後、銀座、代官山にある数々の名店で寿司の修業を行った後、2017年7月、念願だった独立の夢を叶えて、代官山に「代官山 鮨 たけうち」をオープン。