
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「一方的な賃金減額は許されるか」

Q.
月給30万円という約束で採用されました。ところが、働き始めて1ヶ月経ったところで、店長から「いやぁ、君は思ったほどの働きをしてくれないから月給25万円に変更するね」と言われました。こんなことが許されるのですか。
【28才 男性】

A.
もちろん許されません。にもかかわらず、この手の質問は後を絶ちません。
雇う・雇われるという雇用の関係は、“労働契約”という名の契約の関係です。たとえ契約という認識がなくても、たとえ契約書がなくても、「働きます」「雇います」という口約束で契約は成立します。そして、契約の一般原則は、契約の「成立」も「変更」も、当事者の〈合意〉を必要としています。一方的な契約の変更は原則としてできません。例えば、家賃10万円の約束でマンションを借りたとします(この場合は賃貸契約という名の契約)。1ヶ月実際に住んでから、「いやぁ、この部屋思ったほど住み心地よくないから家賃8万円しか払わないよ」と一方的に契約を変更することが許されるとは、誰も考えないでしょう。その店長がやっているのはこれと同じことです。
このような労働契約の基本的なルールを、あらためて明文化した新しい法律「労働契約法」が、平成20年3月から施行されています。この法律の第8条では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」と、個別の労働契約の変更には合意が必要であるという「合意の原則」が明記されています。
雇う・雇われるという雇用の関係は、“労働契約”という名の契約の関係です。たとえ契約という認識がなくても、たとえ契約書がなくても、「働きます」「雇います」という口約束で契約は成立します。そして、契約の一般原則は、契約の「成立」も「変更」も、当事者の〈合意〉を必要としています。一方的な契約の変更は原則としてできません。例えば、家賃10万円の約束でマンションを借りたとします(この場合は賃貸契約という名の契約)。1ヶ月実際に住んでから、「いやぁ、この部屋思ったほど住み心地よくないから家賃8万円しか払わないよ」と一方的に契約を変更することが許されるとは、誰も考えないでしょう。その店長がやっているのはこれと同じことです。
このような労働契約の基本的なルールを、あらためて明文化した新しい法律「労働契約法」が、平成20年3月から施行されています。この法律の第8条では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」と、個別の労働契約の変更には合意が必要であるという「合意の原則」が明記されています。
グルメキャリー119号掲載

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特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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