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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「タイムカードの押し忘れによる減給処分について」

質問1

Q.

 私の勤めるお店では、タイムカードを1回押し忘れると、ペナルティとして500円の減給となります。これは許されるのですか。
【20才 女性】
答え

A.

 使用者(お店の側)には、労働時間を把握する義務があり、タイムカードはそのための重要な手段となっています。タイムカードを押し忘れたからといって、実際には働いているにもかかわらず欠勤扱いにすることは許されません。しかし、タイムカードの押し忘れは職場規律・職場秩序を乱すものであり、懲戒処分の対象とすることは認められます。使用者が懲戒権を行使するためには、

(1)就業規則に懲戒事由と懲戒の種類が定められていること
(2)違反行為と処分の重さの釣り合いがとれていること
(3)適正な手続きがとられること
(4)就業規則で規定するより前の違反に対する処分や、一つの違反に二重の処分をしないこと

といった原則を満たすことが必要です。さらに、減給の処分をするためには、労働基準法第91条により、1事案につき平均賃金1日分の半額以内、総額が1賃金支払期の10分の1以内と上限額が定められています。

 ご質問のケースを考えてみます。就業規則に懲戒に関する規定があったとすると、金額的にも1回500円であれば91条違反となることもないでしょうし、違反行為に対して処分が重過ぎるとも言えないと考えられるので、問題はないことになります。
 なお、「1回500円」という定め方は、違約金や損害賠償額を予め定めることを禁止する労働基準法第16条に違反するのではないか、との考え方もあるようです。しかし、労働契約の不履行に対する違約金と、職場規律違反に対する懲戒とは、そもそも性質の異なるものであり、91条の制限を満たしていれば問題はないと考えます。
グルメキャリー125号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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