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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「欠勤1日につきペナルティ込み2万円カットは違法か」

質問1

Q.

 私が正社員として勤務するお店では、欠勤すると1日につき2万円が差っ引かれます。店長はペナルティ込みの金額だと言っています。私は高すぎると思うのですが、違法ではないのですか。
【29才 男性】
答え

A.

 労働者には、決められた日、決められた時間に労働を提供する義務があります。その労働提供義務を果たさなかった時間に対する賃金を、請求する権利は発生しません。これをノーワーク・ノーペイの原則といいます。欠勤した場合に、不就労時間分を超えて減給することは制裁にあたります。そして、減給の制裁は、労働基準法91条により、1.1回の額が平均賃金1日分の半額まで、2.総額が一賃金支払期の賃金の10分の1までという制限があります。1日の平均賃金が8000円なら、1回につき4000円まで、月給が24万円なら1ヶ月の総額2万4000円までの減給制裁が可能ということになります。ただし、前提として、お店が制裁(懲戒)を行うためには、就業規則に制裁の規定を定めて、その就業規則を周知させておくことが必要です。
 これらの条件を満たしていれば、一応お店の言い分も通りそうです。ただ、制裁処分には、行為の重さと処分の重さに釣り合いが取れていなければいけません。単なる無断欠勤と正当な理由のある欠勤を同じように扱い、同じ罰を与えるのは問題があるでしょう。また、一律2万円のカットでは、給料の高い人は不就労時間に対する賃金も高いので制裁部分が少なくなることになり、給料の低い人は逆に制裁部分が多くなるということになり、合理的とはいえません。結局のところ、このルールは形式的には有効となる可能性もありますが、実際の運用上は問題があります。
 とはいえ、欠勤をする人が出ると、その日入っているお店のスタッフには大変な迷惑がかかることは確かなことです。お店は単に罰を与えるのではなく、そのことを理解させるように指導をすることが大切です。
グルメキャリー153号掲載

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飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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