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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「着替えの時間は労働時間に含まれるか」

質問1

Q.

 私が勤めているお店では、出勤して制服に着替えてからタイムカードを打刻し、仕事が終わったときは打刻をした後で制服から着替えることになっています。 着替えの時間は労働時間じゃないんですか。
【21才 女性】
答え

A.

 着替え時間が労働時間かどうかを考える前に、そもそも「労働時間とは何か」を確認する必要があります。実はこの問題は、労働法の世界でも様々な説のある、たいへん奥の深いものとなっています。判例によると、「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間をいい、指揮命令下にあるか否かは客観的に定まる」とされています。客観的に定まるのですから、たとえ合意があったとしても、「この時間は労働時間とする、この時間は労働時間としない」などと勝手に決めることはできません。では、具体的に指揮命令下にあるとは、どんな状態なのでしょう。例えば、始業前に清掃や朝礼が行われていたり、終業後に片付けをしていたりする場合、これらが使用者から義務付けられているならば、それは指揮命令下にあると判断されます。たとえそれらの行為を所定労働時間外に行うことになっていても、労働時間としてカウントしなければいけません。着替え時間も、その行為が義務付けられているのなら労働時間である、と言うこともできます。ただ、危険有害物質を扱う業務で、防護服や保護具の着用が法律で義務付けられているケースと、事務職のOLさんが制服に着替えるケースと、果たして同一視してよいものか、という点では議論のあるところです。
 結論としては、たいへん微妙なところですが、飲食店での制服への着替え時間を、指揮命令下にあるとまで評価するのは難しく、労働時間と認められる可能性は低いでしょう。
グルメキャリー116号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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