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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「始業・終業時刻の変更命令に従わなければいけないか」

質問1

Q.

 お店の営業時間の変更により、私の始業時刻と終業時刻が1時間早くなることになりました。確かに、採用時の労働契約書には、「業務の都合により、始業・終業時刻を変更することがある」という文言がありますが、一方的な変更に応じなければいけないのでしょうか。
【29才 女性】
答え

A.

 お店と労働者との関係は、労働契約という名の契約関係にあります。契約の内容である労働条件は、合意によって変更することが原則であり、合意の無い一方的な変更はできません(労働契約法3条1項、8条)。ただ、「業務の都合により~」という一文により、始業・終業時刻の変更について、包括的な合意が成立していることになり、お店の側には変更を命令する権利が発生します。もっとも、命令権があれば、どんな命令でも許されるものではありません。業務上の必要性のない命令、単なる嫌がらせや見せしめのような不当な目的による命令、あまりにもムチャな不利益を強いるような命令、これらの場合、その命令権の行使は、権利の濫用として無効とされます。
 あらためて、ご質問のケースを考えてみます。まず、お店は始業・終業時刻の変更命令権を有しています。その命令権の行使については、営業時間の変更という業務上の必要性があります。不当な目的によるものでもありません。始業・終業が1時間早まるぐらいであれば、私生活への影響も軽微なもので、ムチャな不利益とまではいえません。よって命令権の行使も適正なものと判断されるでしょう。以上のことから、あなたは、この命令に従わなければいけないものと考えられます。
グルメキャリー146号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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