
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「出張のため休日に出発した移動時間は労働時間になるか」

Q.
全国展開しているチェーン店に勤めています。先日、広島で朝から会議がありました。前日の晩に出発したのですが、この日は私の休日でした。休日に丸一日休めなかったのだから、この移動時間は休日労働としてほしいのですが。
【33才 男性】

A.
残念ながら、法律上は、休日労働と取り扱わなくてもよいことになっています。
行政解釈によると、「出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は休日労働として取り扱わなくても差し支えない」としています。つまり、たとえ休日に移動する必要があったとしても、物を運ぶことが業務になっているとか、現金や貴重品の監視を指示されているとかの場合でない限り、休日労働にはあたらない、ということです。また、裁判例の中には、労働拘束性の低さを理由に、移動時間は労働時間にあたらないと判断したものもあります。
確かに、交通機関で移動中は、居眠りをしても、缶ビールを飲んでも(当日に出発するのでなければ)、自由に過ごすことができるので、「働いているわけではない」とされても仕方がないかもしれません。ただ、前日の休日がつぶれるほどの長距離出張の場合、会社としても、なんらかの日当を支給するなどの計らいを検討することも必要でしょう。
行政解釈によると、「出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は休日労働として取り扱わなくても差し支えない」としています。つまり、たとえ休日に移動する必要があったとしても、物を運ぶことが業務になっているとか、現金や貴重品の監視を指示されているとかの場合でない限り、休日労働にはあたらない、ということです。また、裁判例の中には、労働拘束性の低さを理由に、移動時間は労働時間にあたらないと判断したものもあります。
確かに、交通機関で移動中は、居眠りをしても、缶ビールを飲んでも(当日に出発するのでなければ)、自由に過ごすことができるので、「働いているわけではない」とされても仕方がないかもしれません。ただ、前日の休日がつぶれるほどの長距離出張の場合、会社としても、なんらかの日当を支給するなどの計らいを検討することも必要でしょう。
グルメキャリー173号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
業務案内:給与計算、労働・社会保険の手続き代行、就業規則の診断・作成 店長・管理職対象労務研修の実施、人事・労務相談