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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「退職日までに消化できない年休について」

質問1

Q.

 退職日まであと3日というところで、年次有給休暇が5日残っていることに気づきました。この場合はどうするべきでしょう。
【28才 男性】
答え

A.

 退職間際の年休消化はよくある問題です。労働者が「この日に年休を取りたい」と申し出て時季指定権を行使すると、原則として使用者はその日に年休を与えなければいけません。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合、使用者は年休をほかの日に変えてもらうよう、時季変更権を行使することができます。ところが、労働者から退職日までの年休消化を申し出られた場合、退職日の翌日以降、変更できる日は無い(時季変更権を行使できない)ので、使用者は年休消化を認めるしかありません。
 ご質問のケースでは、まず、退職日までの3日間は年休を取得できます(ただし、引継ぎをしっかりしないで勤務先に迷惑をかけるのは問題です)。残りの2日については、退職日を過ぎると、そもそも労働義務がないので、年休を取ることはできません。では、退職日を延期することはできるでしょうか。「労働者からの一方的な退職の意思表示」であった場合でも、「労働者からの合意退職の申し入れを使用者が承諾」した場合でも、使用者が同意しない限り、労働者から一方的には退職日を延期することはできません。
 あとは、退職時に消化できなかった年休を買い上げることは違法ではありませんので、この買い上げを交渉することが考えられます。ただし、買い上げることが義務になっているわけではないので、この交渉に応じてもらえなければ、残りの2日は、もうあきらめるしかありません。
グルメキャリー128号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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