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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「虚偽の利用目的で取得した年次有給休暇」

質問1

Q.

 私の勤めるお店では、年次有給休暇(年休)を取るとき、事前に利用目的を申告しなければいけません。先日、「親戚の法事」と申し出て年休を取ったのですが、実は友達と旅行に行っていたことが、後でバレてしまいました。怒った店長は、「年休とは認められないから、欠勤扱いにする」と言っています。これは許されるのですか。
【26才 男性】
答え

A.

 まず、年休を取得する際に、お店は利用目的を申告させることが許されるかどうかを考えてみましょう。年休は、法律上当然に労働者に発生する権利であり、その利用方法は労働者の自由となっています。したがって、使用者(お店の側)が利用目的を聞いたとしても、労働者はそれに答える義務はありません。また、利用目的によって年休取得を認める・認めないの判断をすることや、利用目的を答えなければ年休を与えないとすることは、違法となります
 もっとも、答えても答えなくてもいいという形で、任意回答を求めることは違法ではありません。そして、複数の労働者から同じ日に年休取得の申出があり、そのうちの何人かに対して「時季変更権」を行使する場合、その利用目的によって対象者を選ぶことも適法とされています(「時季変更権」とは、事業の正常な運営を妨げる場合に、労働者から指定された年休日を他の日に変更することができる使用者の権利です)。
 さて、それではご質問のように虚偽の利用目的を申告していた場合にはどうなるでしょう。繰り返しになりますが、年休をどのように利用するかは労働者の自由です。利用目的によって年休取得を制限することもできないので、虚偽の利用目的だから年休を認めない、とすることはできません。したがって、店長の言っている「年休を取り消して欠勤扱いとする」ことは許されません。
 ただし、「虚偽の申告をした」こと自体、職場秩序を乱したことは事実です。その点においては、懲戒処分が行われる可能性はあります。
グルメキャリー138号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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