
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「年次有給休暇の翌年度への繰越を禁止することはできるか」

Q.
私の勤めるお店では、法定どおりの有給休暇をもらえるのですが、管理が大変になるからという理由で、1年間で使い切らなかった日数は消滅することになっています。これは問題ないのですか。
【33才 男性】

A.
労働基準法で定められる年次有給休暇(年休)は、同法115条に規定される2年の消滅時効が適用されます。したがって、権利が発生した年度に使い切らなかった年休権は、翌年度に繰り越すことができます。
では、就業規則等で「年休は翌年度に繰り越してはならない」と定めた場合はどうなるでしょう。行政通達によると、「できるだけ年度内に年休を取らせる趣旨の規定を設けることは差支えないが、かかる事項を就業規則に規定しても、年度経過後における年休の権利は消滅しない」としています。つまり、いくら社内で「年休は繰り越せない」と定められていても、労基法の規定どおり、取り切れなかった日数は、翌年度まで繰り越すことができます。
では、就業規則等で「年休は翌年度に繰り越してはならない」と定めた場合はどうなるでしょう。行政通達によると、「できるだけ年度内に年休を取らせる趣旨の規定を設けることは差支えないが、かかる事項を就業規則に規定しても、年度経過後における年休の権利は消滅しない」としています。つまり、いくら社内で「年休は繰り越せない」と定められていても、労基法の規定どおり、取り切れなかった日数は、翌年度まで繰り越すことができます。
グルメキャリー182号掲載

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特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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