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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「労基法改正で新設された代替休暇とは」

質問1

Q.

法律が改正されて、残業代を支払わなくても、その分の休暇を与えることでよくなったと聞きました。本当ですか。
【36才 男性】
答え

A.

 そういった制度が新たにできたのは本当ですが、条件がいくつかあり、また、まったく残業代(割増賃金)を支払わなくてよくなったわけではありません。
 平成22年施行の改正労働基準法において、「代替休暇」という制度ができました。この制度の解説の前に、同改正に定められた割増賃金の引き上げについて理解しておかなければなりません。
 従来より、1日8時間または1週40時間を超えた時間外労働に対しては、25%以上の割増率で計算された割増賃金の支払が義務づけられていました。法改正により、1ヶ月60時間を超えた時間外労働には25%ではなく、50%以上の割増率となりました。ただし、一定規模までの中小企業(表を参照)にはこの改正法の適用が猶予されているので、今までどおり25%のままとなっています。
 さて、代替休暇の制度とは、この引き上げられた割増率で計算された割増賃金を支払う代わりに、日数に換算した休暇として与えることができる制度です。ここでポイントは、引き上げになる前の25%は必ず賃金として支給しなければならないこと、そもそも引き上げが猶予されている中小企業には関係のない話であることです。また、仮にお店で導入されていても、代替休暇を取得するかどうかは、労働者の意思に任されています。お店が勝手に、割増賃金の代わりに休暇を取らせることはできません。
 代替休暇制度をお店で導入するためには、お店と従業員代表により、労使協定を締結することが必要です。この労使協定には、(1)代替休暇として付与する時間数の具体的な算定方法 (2)代替休暇の単位(1日または半日) (3)代替休暇を与えることができる期間(2ヶ月以内) (4)代替休暇の取得日の決定方法と割増賃金の支払日、の4つの事項を定めなければなりません。
 代替休暇を与えることができる時間数は、
「1ヶ月60時間を超えた時間外労働時間数×換算率」で計算します。「換算率」とは、1ヶ月60時間超の労働に支払われる割増率(50%以上)から代替休暇を取得した場合に支払われる割増率(25%以上)を引いたものです。図の具体例をご覧ください。
グルメキャリー227号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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