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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「年次有給休暇の取得者に皆勤手当が支給されないのは違法か」

質問1

Q.

  私の勤めるお店では、有給休暇を取ると、その月は、皆勤手当2万円が支給されなくなります。このようなルールは、違法ではないのですか。 
【27才 女性】
答え

A.

  ご質問のような取扱いは、実質的に、法律の趣旨に反していると考えられます。
 労働基準法では、年次有給休暇(年休)を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない、と定められています(附則136条)。
 年休取得日を欠勤として、または欠勤に準じて取り扱うことは、年休の取得を抑制することになるからです。不利益な取扱いとは、精皆勤手当の不支給、賞与や昇給の査定においてマイナスの査定をすることなどが挙げられます。「年休を取ると、そのような不利益があるなら、やっぱり取るのやめようかな」といった“ためらい”が生じて(=取得を抑制)しまいます。また、取得しなかったことを有利に扱うこと(取得しなかった場合に、手当を支給する等)も、間接的に取得を抑制することになり、認められません。
 なお、タクシー会社の運転手が、勤務表作成後に年休を取得すると皆勤手当を不支給とされていた取扱いについて、「実質的に取得を抑制しているとまでいえない」として法律違反ではないと判断した最高裁判例があります。しかし、このケースは、タクシー業界に独特な事情があったことや、皆勤手当が少額だったことなど、特殊な事例です。また、労働法学の世界においても、この判例は労基法の趣旨に反するという批判が多くあります。
 したがって、原則的には、「年休取得による皆勤手当不支給は違法」ということです。
グルメキャリー235号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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