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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「雇用期間1年未満の者も、育児休業を取れるか」

質問1

Q.

  飲食店で正社員として勤務を開始して数ヶ月の男性です。このたび、家庭の事情で育児休業を取る必要が生じました。ただ、勤めているお店が小規模で、就業規則がないため、育児休業の規程もありません。しかし、たとえお店に規程はなくても、法律で決められた育児休業は取れるはずだと店長に申し出たところ、「そもそも法律では、採用から1年未満の者は、育児休業の対象外だ」と言われました。これは本当ですか。
【30才 男性】
答え

A.

   まず、育児介護休業法は、業種や規模を問わず、すべての事業所に適用されるものですので、対象となる労働者が、法定の手続を経て育児休業を取得しようとした場合、お店の側は取得を拒否することはできません。これは、お店に育児休業に関する規程がなくても同じことです。
 次に、育児休業を取得できる対象者についてです。原則として1才(一定の条件で1才6ヶ月)になるまでの子を養育する労働者は、男女を問わず取得できます。ただし、法律上、日々雇用される者(日雇労働者)は除かれています
 また、期間雇用者(有期契約労働者)については、(1)継続雇用1年以上であること(2)子の1才到達後も引き続き雇用されることが見込まれること(3)子の1才到達日から1年以内に雇用期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかでないこと、の3つの要件を満たした者だけが対象となります。
 さらに、労働者代表と使用者(お店の側)との間で労使協定を締結することで、次の者について、育児休業の適用が除外されます。(ア)継続雇用1年未満の者(イ)育児休業取得の申出日から1年以内(1才6ヶ月までの休業の場合6ヶ月以内)に雇用終了することが明らかな者(ウ)1週間の所定労働日数が2日以下の者
 さて、ご質問の中で、店長は、先述の(ア)のことを指して対象外と言っているのでしょう。しかし、この(ア)雇用期間1年未満の者を対象から除くことができるのは、あくまでも、労使協定を締結した場合に限られます。(これに対し、期間雇用者について、(1)継続雇用1年以上の者を条件とするのは、労使協定がなくても、法律上当然に認められていることに注意が必要です)
 あなたのお店には、育児介護休業に関する規程が無いぐらいですから、労使協定だけ締結しているとは考えられません。一方、初めにお話したとおり、育児介護休業法はあなたのお店にも適用されます。つまり、労使協定がないお店においては、雇用期間1年未満の者であっても育児休業は取得できるということです。
グルメキャリー275号掲載
イラスト

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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