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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「半日公休」という社内制度は違法か

質問1

Q.

 週休2日制、1日8時間勤務のお店で働いています。ただ、お店が忙しい上に人手不足で、なかなか毎週2日の公休を取れるシフトを組むのが難しいようです。そのため、1日の公休を2日に分け、1日4時間勤務の「半日公休」というお店独自の制度を作り、運用しています。このようなやり方は違法ではありませんか。
【33才 男性】
答え

A.

 ご質問のような半日公休を2日取ったところで、法律上の休日を1日分取ったことにはなりません。ただし、法律で定められている日数を上回る休日については、そのような運用も違法とはなりません。
 労働基準法35条1項では、原則として「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」と、「1週1休」の最低基準を定めています。またその例外として同条2項では「4週間を通じ4日以上の休日を与える」という「4週4休」を認めています。これら最低限与えなければならない休日を「法定休日」と呼んでいます。(以下、ややこしくなるので「4週4休」の話は置いておきます)
 この35条で定められる「休日」は、暦日(午前0時から午後12時までの24時間)で与えなければならないとされています。つまり、1日4時間勤務の日を「半日公休」と呼び、その半日公休を2日与えたからといって、法律上は1日分の休日を与えたことにはならないということです。
 ところで、法律上の休日とは、あくまでも「1週1休」の法定休日のことです。ということは、週休2日制の場合、法律を上回る日数となる、もう1日の休日については、法律の規制は及ばないのです。したがって、公休2日のうち、1日を半日公休2日に分け、ある週において「公休×1日+半日公休×2日」となっても、1週1日の法定休日が確保されているのですから法律違反にはなりません
 では、公休の2日とも半日公休にして、「半日公休×4日」となった週はどうでしょうか。この場合、いくら社内的には、「半日公休×4日=公休2日」と扱ったとしても、法律上の休日を取ったことにはなりません。そうすると、1週間ずっと休日の無い週となり、法定休日が確保できていない状態となります。したがって、いずれかの日を法定休日労働として、1.35倍で計算した割増賃金が必要となります。
 なお、「公休×1日+半日公休×2日」のケースのように法定休日の問題をクリアしていても、1週の法定労働時間40時間をオーバーした分は、法定時間外労働(残業)をさせたことになるので、1.25倍の割増賃金が必要となる点には注意が必要です。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 繰り返しになりますが、法律上は「半日の休日」という概念はありません。社内的に「半日公休」と呼ぶことが許されるのは、あくまでも法律を上回る日数の休日についてだけです。ある週の休日が結果として1日もなくなるようなら、法定休日労働をさせていることになり、割増賃金が必要です。
グルメキャリー379号掲載

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飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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