
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「失業給付受給中に病気で職業に就けない状態になった場合について」

Q.
現在、雇用保険から失業給付(基本手当)を受給しながら、仕事探しをしています。先日から病気にかかってしまったのですが、給付はどうなるのでしょうか。お金が入ってこなくなると、生活が苦しいのですが。
【27才 女性】


A.
基本手当を受給中に、病気やケガで職業に就くことができない状態になった場合、その状態が引き続いた期間によって、次のように扱われます。まず、その期間が15日未満の場合、証明書の提出により失業の認定を受けることができ、そのまま基本手当を受給することができます。15日以上になると、失業の状態とは認められず、基本手当をもらうことはできません。雇用保険法における「失業」とは、「働く意思と能力があること」であり、長期間病気やケガの状態にあるのは、「働く能力がある」ことにならないからです。この場合、基本手当の代わりに、傷病手当を受給することができます。傷病手当の支給額は基本手当と同額です。また、傷病手当をもらった日数分、まだもらっていない基本手当の日数が減らされます。つまり、基本手当が傷病手当にそっくり入れ替わって支給されるイメージです。さらに、病気・ケガの期間が30日以上になると、基本手当の受給期間を延長するという選択をすることもできます。通常は離職日の翌日から1年間の受給期間に、最大3年間の延長ができ、合計で最大4年間となります。こちらは、もらうことのできる基本手当を、病気・ケガが治ってからの後回しにして受給するイメージです。以上のことをまとめると、病気・ケガの期間が、
●15日未満→基本手当をそのまま受給
●15日以上30日未満→傷病手当を受給
●30日以上→傷病手当を受給、または基本手当の受給期間の延長
となります。
●15日未満→基本手当をそのまま受給
●15日以上30日未満→傷病手当を受給
●30日以上→傷病手当を受給、または基本手当の受給期間の延長
となります。
グルメキャリー106号掲載
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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