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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「仕事中のぎっくり腰が労災にならないケース」

質問1

Q.

お店で仕事中、床に落ちた伝票を拾おうとかがんだとき、ぎっくり腰になりました。労災保険の申請をしたのですが、労働基準監督署からは業務上の災害として認められませんでした。以前、同じお店で働く者が、生ビールサーバーの樽を持ち上げようとして腰を痛めたときには労災と認定されたのに、どうしてですか。
【32才 女性】
答え

A.

腰痛は、仕事とは関係のない日常生活上でも起こるものであり、 業務と腰痛の因果関係の有無を判断するのは困難なものです。 そこで、行政通達として、「業務上腰痛の認定基準について」が定められています。
 これによると、業務上と認定される腰痛は、まず次の2つに分類されています。
  (1)災害性の原因による腰痛
  (2)災害性の原因によらない腰痛
(1)は、重いものを持ったときなど急激な力の作用が発症させた腰痛、 (2)は、重いものを扱うなどの腰部に負担のかかる業務に一定期間従事して発症させた腰痛、といったイメージです。  
 (1)について、もう少し詳しく見ていきます。(1)として認定されるためには、次の2つの要件を満たさなければいけません。 

(a)腰部の負傷または腰部の負傷を生ぜしめたと考えられる通常の動作と異なる動作による腰部に対する急激な力の作用が、業務遂行中に突発的なできごととして生じたと明らかに認められるものであること。
(b)腰部に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症もしくは基礎疾患を著しく増悪させたと医学的に認めるに足りるものであること。

 ここで、(a)にある「通常の動作と異なる動作」とは、日常生活上の動作及びその労働者の通常の作業動作による腰部への異常な負荷の状態をいうものである、とされています。ご質問のケースのように、伝票を拾うためにかがんだ動作は、「通常の動作と異なる動作」ではなく、「日常生活上の動作」であると判断されたため、労災として認定されなかったと考えられます。一方、生ビールの樽を持ち上げた同僚の方の場合は、腰部への急激な力の作用が業務遂行上の突発的なできごととして客観的に認められるものと判断されたのでしょう。

グルメキャリー135号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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