
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「再就職手当をもらった後、再び失業した場合の失業給付」

Q.
転職したお店を、都合により3ヶ月ほどで退職することになりました。転職した際に雇用保険の再就職手当をもらっています。今回の退職後には、もう失業給付をもらえないのでしょうか。
【27才 男性】

A.
再就職手当とは、雇用保険の受給資格者が、もらえるはずの基本手当(失業給付)を多く残して再就職したときに(つまり早く再就職できたときに)、基本手当の残り日数に応じてもらえる一時金です。基本手当の所定給付日数を3分の2以上残して再就職した場合には残日数の50%、3分の1以上残しての場合40%が、再就職手当として支給されます。
基本手当の残りをベースに計算するので、再就職手当をもらってしまうと、再度失業しても、もう基本手当をもらえないようにも見えます。しかし、この場合には、「再就職手当の額を基本手当日額で割った日数分」の基本手当を受給したものとみなして、残りの日数分の基本手当をもらうことができます。
具体的な数字で考えてみます。基本手当日額が5,000円/日、所定給付日数が90日だったとします。基本手当を50日分もらい、40日分残して再就職したとすると、40日は90日の3分の1以上なので残日数の40%が再就職手当として支給されます。その額は、5,000円/日×40日×40%=80,000円です。
この80,000円を、「基本手当をもらったものとみなす日数」に換算するために、基本手当日額で割ると、80,000円÷5,000円/日=16日となります。つまり、再就職手当をもらったことにより、基本手当を16日分もらったものとみなされますので、再失業後には、40日-16日=24日分の基本手当を再びもらうことができます。
基本手当の残りをベースに計算するので、再就職手当をもらってしまうと、再度失業しても、もう基本手当をもらえないようにも見えます。しかし、この場合には、「再就職手当の額を基本手当日額で割った日数分」の基本手当を受給したものとみなして、残りの日数分の基本手当をもらうことができます。
具体的な数字で考えてみます。基本手当日額が5,000円/日、所定給付日数が90日だったとします。基本手当を50日分もらい、40日分残して再就職したとすると、40日は90日の3分の1以上なので残日数の40%が再就職手当として支給されます。その額は、5,000円/日×40日×40%=80,000円です。
この80,000円を、「基本手当をもらったものとみなす日数」に換算するために、基本手当日額で割ると、80,000円÷5,000円/日=16日となります。つまり、再就職手当をもらったことにより、基本手当を16日分もらったものとみなされますので、再失業後には、40日-16日=24日分の基本手当を再びもらうことができます。
グルメキャリー196号掲載

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特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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