
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「入社後、お店が健康保険の手続をする前に病院にかかったとき」

Q.
1ヶ月ほど前に、就職が決まったお店で働き始めています。ただ、お店が社会保険加入の手続をなかなかしてくれず、まだ健康保険証が手元にありません。この状態で先日病院にかかったところ、窓口で健康保険は適用できないと言われ、医療費全額支払ってきました。私はこの日の治療について、健康保険は受けられないのでしょうか。
【32才 男性】

A.
健康保険証(正確には、健康保険被保険者証)は、入社後に事業主が年金事務所(または健康保険組合)に、被保険者資格取得届を提出することによって交付されます。たとえ事業主が手続を怠っていて、健康保険証が手元にない状態であっても、事実上の使用関係が生じた日(一般的には入社日)から、『被保険者資格』そのものはあることに変わりありません。
本来であれば医療機関の窓口で健康保険証を提示することで医療費の3割負担ですむところです。しかし、医療機関側が被保険者資格を確認できなかったため、健康保険を適用することができず、10割全額の支払いを求められたというわけです。
この場合でも、資格そのものはあるのですから、健康保険から本来窓口で払う必要のなかった分について、「療養費」として現金給付を受けることができます。立替払いした7割分について、「療養費」の支給申請をすることで、後から取り戻すといったイメージです。給付の手続は、医療機関で発行された「診療明細書」と「領収書」を添付して、健康保険協会(または健康保険組合)に、支給申請書を提出します。
本来であれば医療機関の窓口で健康保険証を提示することで医療費の3割負担ですむところです。しかし、医療機関側が被保険者資格を確認できなかったため、健康保険を適用することができず、10割全額の支払いを求められたというわけです。
この場合でも、資格そのものはあるのですから、健康保険から本来窓口で払う必要のなかった分について、「療養費」として現金給付を受けることができます。立替払いした7割分について、「療養費」の支給申請をすることで、後から取り戻すといったイメージです。給付の手続は、医療機関で発行された「診療明細書」と「領収書」を添付して、健康保険協会(または健康保険組合)に、支給申請書を提出します。
グルメキャリー210号掲載
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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