
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「業務上のケガで通院、遅刻分賃金カットされた場合の休業補償給付」

Q.
調理の仕事中に包丁で指を切りました。大きなケガではなかったので、仕事を休むほどではなかったのですが、何日か通院をしています。治療費は労災から支払われるので問題ないのですが、通院によって遅刻をした時間については、賃金がカットされます。この賃金カット分については何ももらえないのですか。
【29才 男性】

A.
労災保険制度では、労働者が業務上の負傷・疾病の療養のために労働することができず、賃金が支払われない日について、休業4日目から「休業補償給付」が支給されることになっています。また、休業1日目から3日目については、事業主が「休業補償」を支払わなければなりません。
この場合の休業とは、丸々一日休んで賃金を受けられない日のみならず、一日の一部だけ休業し、賃金を受けられない日も含まれます。また、通院のために一部休業する場合も含まれます。
丸々一日休んだ場合、事業主からの休業補償、労災からの休業補償給付ともに支給額は、給付基礎日額(労働基準法で定められる平均賃金)の60%となっています。さらに、労災の休業補償給付については、20%の特別支給金が上乗せされるので、合計80%となります。
そして、一部休業の場合には、「給付基礎日額から実際に働いた分の賃金を差し引いた金額」に対して、同様に60%および20%の計算を行います。
平均賃金が8,000円で、実際に働いた分の賃金が5,000円だった場合、一部休業で通院した1日目から3日目までは、(8,000-5,000)×60%=1,800円を事業主が、休業補償として支払う義務があります。4日目以降は労災から同額の休業補償給付と、(8,000-5,000)×20%=600円の休業特別支給金が支給されます。
この場合の休業とは、丸々一日休んで賃金を受けられない日のみならず、一日の一部だけ休業し、賃金を受けられない日も含まれます。また、通院のために一部休業する場合も含まれます。
丸々一日休んだ場合、事業主からの休業補償、労災からの休業補償給付ともに支給額は、給付基礎日額(労働基準法で定められる平均賃金)の60%となっています。さらに、労災の休業補償給付については、20%の特別支給金が上乗せされるので、合計80%となります。
そして、一部休業の場合には、「給付基礎日額から実際に働いた分の賃金を差し引いた金額」に対して、同様に60%および20%の計算を行います。
平均賃金が8,000円で、実際に働いた分の賃金が5,000円だった場合、一部休業で通院した1日目から3日目までは、(8,000-5,000)×60%=1,800円を事業主が、休業補償として支払う義務があります。4日目以降は労災から同額の休業補償給付と、(8,000-5,000)×20%=600円の休業特別支給金が支給されます。
グルメキャリー243号掲載


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特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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