
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「同一月に入社と退社、さらに別の会社に入社した場合の社会保険料」

Q.
ある会社(A社)に、10月1日に入社したのですが、同じ月の15日にすぐ退社しました。さらに同じ月の25日に、別の会社(B社)に入社して、現在に至っています。その後、両社から10月分の給与明細書をもらったのですが、どちらの会社からも、健康保険料と厚生年金保険料が天引きされていました。これは二重払いではないのですか。
【29才 男性】

A.
社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は、『月』を単位に発生しますが、それにはいくつかのルールがあります。まず大原則は、「月末に在籍していた場合には、その会社で保険料がかかる」というものです。たとえば、ある会社を10月31日に退社した場合、月末に在籍していたことになるので、10月分の保険料がかかります。一方、10月1日から10月30日までの間(月の途中)に退社した場合、月末には在籍していないので、10月分の保険料はかかりません。
ここで例外があります。同じ月に入社と退社をした場合、月の途中で退社していても、この月の保険料はかかります。同一の月に資格の取得と喪失をするので、これを「同月得喪」といいます。したがって、ご質問のA社で保険料が天引きされたのは、ひとまず正しいことになります。
さらに例外があり、「同じ月にもう一度別の会社に入社した場合、先の会社での厚生年金保険料はかからない」というものです。つまり、ご質問のケースでは、厚生年金保険料はB社でだけかかり、A社ではかかりません。したがって、A社で天引きされた分は返してもらうことができます。
手続については、年金事務所で確認してください。天引きされた保険料は、A社から直接返してもらわなければなりません。ただ、A社にとっても、「会社負担分の厚生年金保険料」と厚生年金保険料と併せて会社だけ負担している「児童手当拠出金」が戻ってくる、いわばラッキーが舞い込んでくるのですから、手続に応じてくれるでしょう。
なお、健康保険料については、このような規定はないので、現状どおり、二重払いになるのは正しいということになります。
ここで例外があります。同じ月に入社と退社をした場合、月の途中で退社していても、この月の保険料はかかります。同一の月に資格の取得と喪失をするので、これを「同月得喪」といいます。したがって、ご質問のA社で保険料が天引きされたのは、ひとまず正しいことになります。
さらに例外があり、「同じ月にもう一度別の会社に入社した場合、先の会社での厚生年金保険料はかからない」というものです。つまり、ご質問のケースでは、厚生年金保険料はB社でだけかかり、A社ではかかりません。したがって、A社で天引きされた分は返してもらうことができます。
手続については、年金事務所で確認してください。天引きされた保険料は、A社から直接返してもらわなければなりません。ただ、A社にとっても、「会社負担分の厚生年金保険料」と厚生年金保険料と併せて会社だけ負担している「児童手当拠出金」が戻ってくる、いわばラッキーが舞い込んでくるのですから、手続に応じてくれるでしょう。
なお、健康保険料については、このような規定はないので、現状どおり、二重払いになるのは正しいということになります。
グルメキャリー249号掲載

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特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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