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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「出張中、宿泊先の宿でケガをした場合、労災になるか」

質問1

Q.

  新たなエリアに出店した店舗へ応援のため、泊まりがけの出張に行っていました。ある晩、宿泊中のホテルの浴場で入浴中、すべって転倒しケガをしました。これはさすがに、労災にならないでしょうか…。
【27才 男性】
答え

A.

   一般的な感覚では、入浴中は業務時間外なのだから、労災と扱われないと思われるかもしれません。しかし、労災保険法において、出張については独特の考え方で判断されます。
 出張中は、その用務の成否や遂行方法などについて、包括的に事業主に責任を負っている以上、特別の事情が無い限り、出張過程の全般について、事業主の支配下にあるといえます。そのため、出張中の過程全般を業務行為とみるのが、労災保険法の特徴です。早い話が、「家を出発してから、出張行程を終え、家に帰るまで」が出張であり、業務として見ますよ、ということです。列車や飛行機での移動中はもちろん、睡眠、食事、入浴といった私的行為も、恣意的行為や積極的な私的行為に当たらない限り、業務に付随する行為とされます。そして、行為中に発生した事故は、労災の業務上災害と扱われます。
 例えば、出張のため自宅を出て駅に向かっている途中に起きた事故は、通勤災害ではなく、業務上災害となります。また、通常どおり宿泊している旅館で睡眠中に火災に遭い死亡した場合も業務上災害となります。
 一方、宿に浴場があるのに、わざわざ公衆温泉に入りに行っていたり、観光地や有名ラーメン店を巡っていたりの途中で起きた事故は、積極的な私的行為とみなされ、労災の対象外となります。
 以上を踏まえますと、ご質問のケースについては、宿泊していたホテル内の浴場で入浴中にすべってケガをしたとのことですので、積極的な私的行為ではなかったものとして、労災の業務上災害と認定される可能性が高いでしょう。
グルメキャリー272号掲載
イラスト

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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