[an error occurred while processing this directive]
フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「離婚により、配偶者が国民年金3号被保険者でなくなる場合の手続」

質問1

Q.

 先日、離婚しました。別れた妻は、私がお店で入っている健康保険の被扶養者になっていたので、扶養から抜ける手続に必要な用紙をお店でもらいました。確か扶養に入るときは、同時に年金の手続もした記憶があるのですが、今回も必要なのでしょうか。
【38才 男性】
答え

A.

 ご質問のケースは、加入している健康保険によって、年金の手続(国民年金第3号被保険者でなくなるという手続)が必要な場合と不要な場合があります。
 健康保険の被扶養者となる20歳以上60歳未満の配偶者(典型的なケースは、専業主婦)は、年金の制度では、国民年金第3号被保険者となります。(以下、分かりやすくするためにお店に勤務しているのが「夫」、扶養されている配偶者を「妻」として説明しますが、制度上は、夫と妻が逆でも構いません)
 入社や結婚により、妻を「健康保険の被扶養者に追加する」手続の際には、同時に「国民年金第3号被保険者になる」手続をしなければなりません。ところが(意外なことかもしれませんが)、離婚や収入増加により、妻が健康保険の被扶養者でなくなる場合には、健康保険の手続は必要ですが、「3号ではなくなる」という手続は必要ありませんでした。もしも3号被保険者から1号被保険者になるのなら、本人(扶養から抜けた妻)が、「1号になる」手続をしなければなりません。この手続により、自動的に「3号でなくなる」わけです。
 しかし、本人がこの「1号になる」手続を知らなかったり忘れてたりして、手続しないままでいると、本当は3号ではないのに、記録上は3号のままということになります。これが社会問題になった「第3号被保険者不整合記録問題」の原因の一つでした。
 そこで、法改正により、平成26年12月以降、「3号ではなくなった」という手続として、「被扶養配偶者非該当届」を提出しなければならなくなりました
 この手続が必要なのは、3号被保険者でなくなるケースのうち、(1)妻が収入増加により扶養の基準を満たさなくなった場合(2)2号被保険者である夫と離婚した場合の2種類です。例えば、夫が退職して2号被保険者でなくなる場合も3号被保険者ではなくなりますが、この場合は、「2号の配偶者」という3号の条件から自動的に外れるので、「3号でなくなる」手続は不要です。
 また、そもそも被扶養者として加入していた健康保険が全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、扶養から抜ける手続も年金の手続も窓口は年金事務所で共通となっています。そのため、「被扶養者でなくなる」手続をすれば、年金機構側は「3号でなくなる」ことは把握できるので、従来どおり手続は不要です。
 以上をまとめると、妻の収入増加や離婚により、妻が健康保険の被扶養者でなくなるケースにおいて、協会けんぽ以外の健康保険(健康保険組合国民健康保険組合)に加入している場合のみ、「国民年金第3号被保険者ではなくなる」手続が必要となります。
グルメキャリー284号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

業務案内:給与計算、労働・社会保険の手続き代行、就業規則の診断・作成 店長・管理職対象労務研修の実施、人事・労務相談

お問い合わせはお気軽に! E-mail:info@SR-hisano.com URL:www.SR-hisano.com TEL:03-3906-4636 FAX:03-3906-2722
[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive]
第26回 飲食×レストラン業界合同企業説明会 秋葉原 秋葉原UDX 2F アキバ・スクエア
[an error occurred while processing this directive]