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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「同月内で入退社をした場合の社会保険料(平成27年10月改正)」

質問1

Q.

 ある会社に入社したのですが、同じ月のうちに退職しました。その勤務分の給与明細書を見ると、健康保険と厚生年金の保険料が天引きされていました。退職後は国民健康保険と国民年金に加入したのですが、そこでも保険料を請求されました。この月は、二重に保険料を払わなければならないのですか。
【30才 男性】
答え

A.

 法改正により、ご質問のケースでは厚生年金保険料は不要になりました。前職の会社から返してもらうようにしましょう。
 社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は、『月』を単位に発生しますが、それにはいくつかのルールがあります。まず大原則は、「月末に在籍していた場合には、その会社で保険料がかかる」というものです。たとえば、ある会社を5月31日に退社した場合、月末に在籍していたことになるので、5月分の保険料がかかります。一方、5月1日から5月30日までの間(月の途中)に退職した場合、月末には在籍していないので、5月分の保険料はかかりません。
 このルールには例外があり、同じ月に入社して退職した場合、月の途中で退職していても、この月の保険料はかかることになっています。同一の月に資格の取得と喪失をするので、これを「同月得喪」といいます。
 ところが、厚生年金については、さらに例外があり、次のいずれかに該当する場合、保険料がかかりません
(1)退職後、同一月に、さらに別の会社に就職し、そこで厚生年金に加入した場合
(2)退職後、同一月に、国民年金に加入した場合
 (2)については、平成27年10月の法改正により開始された制度です。ご質問のケースでは、従来であれば、厚生年金保険料と国民年金保険料の二重払いをしなければなりませんでした。しかし、改正後は、国民年金保険料だけ負担すればよいことになりました。天引きされた保険料は不要となりますので、退職した会社に説明して、返してもらうようにしましょう。
 なお、健康保険料については、このような規定はありませんので、従来どおり、同月得喪の場合に保険料はかかります。
飲食店オーナーの方へ

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 退職した月に再就職しなかった場合、国民年金は、20歳以上60歳未満で国内居住者は全員が加入するので、ほとんどの場合、(2)に該当するでしょう。該当しないケースとしては、20歳未満・60歳以上で同月得喪となった場合や、退職した月に国外へ移住した場合です。
 とは言え、(1)か(2)に必ず該当するというわけではないので、同月得喪だからといって、「最初から天引きしない」ということはしないでください。該当する場合には年金事務所から通知があり、保険料の還付請求をすることで、不要となった保険料が返ってきます。
グルメキャリー309号掲載

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飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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