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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「正社員からアルバイトに雇用形態変更。社会保険料もすぐ変更か」

質問1

Q.

 正社員として働いてきましたが、事情により、同じお店でアルバイトに雇用形態を変更することになりました。フルタイムではないものの、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入基準は満たすので、加入したままとなります。ただ、給料は大幅にダウンする予定です。この場合、天引きされる社会保険料は、アルバイトになった時点で変更になるのでしょうか。
【27才 女性】
答え

A.

 結論としては、アルバイトになった時点で社会保険料が変更になることはありません。変更になるとしても4ヶ月先からです。
 社会保険のパートタイマー・アルバイトの加入基準は、「1週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、一般社員の4分の3以上」となっています(常時501人以上の特定適用事業所では、さらに広い範囲で加入となります)。この基準を満たすと、正社員と同様に社会保険に加入して、被保険者となります。
 正社員からアルバイトに雇用形態が変更になるということは、労働契約については、いったん契約を終了し、新たな契約を開始するということです。しかし、アルバイトになってからも、先述の加入基準を満たしている場合には、社会保険に加入したままとなります。決して、「いったん被保険者資格を喪失して、同時に被保険者資格を取得する」という手続が発生するわけではありません。仮に年金事務所の窓口に喪失届と取得届を同時に提出しても、受け付けてもらえません。
 そうすると、給料ダウンによる社会保険料の変更は、「随時改定」の仕組みによることとなります。随時改定とは、固定的賃金の変更や、給与体系の変更(月給制から時給制に等)があった場合、変更月から引き続く3ヶ月間に支払われた給与の平均額が、従前の標準報酬月額に比べて2等級以上の差が生じた場合に、標準報酬月額が改定される制度です。(標準報酬月額とは、社会保険料計算のために、給与の支給額を一定の範囲ごとに区切った等級表にあてはめて得られる、いわば仮の給与額です)例えば、変更があったのが3月支給分の給与だったとすると、3月、4月、5月の3ヶ月平均で判定され、随時改定にあたる場合には6月分の保険料から変更となります。給与から天引きされる社会保険料は前月分となっています。6月分の社会保険料が天引きされるのは7月支給の給料です。つまり、給与の変更月から見ると、天引きされる保険料に反映されるのは4ヶ月先というわけです。
 なお、60歳以上の被保険者が定年退職後、引き続き再雇用される場合には、例外的に、いったん被保険者資格を喪失し、同日に被保険者資格を取得するという手続が認められています。これを「同日得喪(どうじつとくそう)」と呼びます。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 給与が大幅にダウンしても、3ヶ月間は従前の社会保険料が発生するのは、本人にとっても、保険料を折半しているお店にとっても痛いところです。しかし、制度についてご理解いただくしかありません。
グルメキャリー324号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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