
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「育児休業中、一時的に出勤する場合の育児休業給付金」

Q.
現在、育児休業を取得中です。先日お店から、「繁忙期にどうしても人手が不足している。なんとか3日だけ出勤してくれないか」と連絡がありました。それぐらいだったら出勤することはできるのですが、雇用保険から受けている給付金はどうなりますか。
【29才 女性】

A.
結論としては、一定の出勤日数と賃金額を超えない限りは、雇用保険からの給付金(「育児休業給付金」といいます)がもらえなくなることはありませんので、安心してください。
育児休業は、原則として同じ子について1回しか取得することはできず、一度職場復帰すると、そこで休業終了となります。ただし、臨時的・一時的な就労であり、その後また育児休業に戻る場合には、職場復帰とは扱われません。
注意が必要なのは、育児休業給付金の支給要件の一つとして、支給単位期間において、就業している日が10日以下であること、10日を超える場合には就業時間が80時間以下であることと定められていることです。(「支給単位期間」とは、育児休業開始日から、1ヶ月ごとに区切った期間です)
また、支給単位期間に支給された賃金額が、休業開始時の賃金月額の80%未満であることが大前提となります。
ところで、現在、育児休業給付金の給付率について、休業開始から180日までは67%、181日目以降は50%となっています。そして、「それぞれの給付率において計算された給付金額」と「支払われた賃金額」との合計額が、「休業開始時の賃金月額の80%」をオーバーした分は、カットして支給されることになります。
育児休業は、原則として同じ子について1回しか取得することはできず、一度職場復帰すると、そこで休業終了となります。ただし、臨時的・一時的な就労であり、その後また育児休業に戻る場合には、職場復帰とは扱われません。
注意が必要なのは、育児休業給付金の支給要件の一つとして、支給単位期間において、就業している日が10日以下であること、10日を超える場合には就業時間が80時間以下であることと定められていることです。(「支給単位期間」とは、育児休業開始日から、1ヶ月ごとに区切った期間です)
また、支給単位期間に支給された賃金額が、休業開始時の賃金月額の80%未満であることが大前提となります。
ところで、現在、育児休業給付金の給付率について、休業開始から180日までは67%、181日目以降は50%となっています。そして、「それぞれの給付率において計算された給付金額」と「支払われた賃金額」との合計額が、「休業開始時の賃金月額の80%」をオーバーした分は、カットして支給されることになります。

飲食店オーナーの方へ
育児休業期間中の出勤を強制することはできませんが、本人同意の上であれば問題ありません。一定の要件下であれば育児休業給付が不支給となることもありません。本人にはキチンと説明して、安心させてください。
グルメキャリー326号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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