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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「学生アルバイトは、健康保険・厚生年金保険に加入する必要がないか」

質問1

Q.

 飲食店でアルバイトとして働いている大学生です。今年は授業が少ないので、1日6時間、1週6日ぐらいでシフトに入っています。
 先日、勤務先で年金事務所の調査があったらしく、その結果、私も社会保険(健康保険と厚生年金保険)に入らなければならないことになったようです。学生は社会保険に入らなくてもいいのではないのですか。
【20才 男性】
答え

A.

 アルバイトのような短時間労働者が社会保険に加入しなければならない基準には、2種類あります。この2種類の基準によって、学生の扱いは変わってきます。
 まず、すべての事業所について適用されるものですが、次の基準を満たす短時間労働者は、社会保険に加入しなければなりません。
『1週の所定労働時間』『1ヶ月の所定労働日数』の両方が、通常の労働者(つまり、正社員)の4分の3以上であること」
(以下、こちらの基準を、「4分の3基準」と呼ぶこととします)
 次に、平成28年10月以降、社会保険の適用拡大を目的として設けられた、新たな基準です。社会保険の加入者が常時501人以上の企業(これを「特定適用事業所」といいます)で働く短時間労働者は、次の(1)~(4)のすべての要件に当てはまると、社会保険に加入しなければなりません。
(1)1週の所定労働時間が20時間以上あること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金の月額が8.8万円以上であること
(4)学生でないこと
(こちらの基準を、「新拡大基準」と呼ぶこととします)
 さらに平成29年4月以降は、常時500人以下の企業でも、労使が合意することによって(つまり、従業員と事業主の双方が、適用拡大の対象となることを希望した場合)、特定適用事業所と同じ扱いを受けることができるようになりました(このような事業所を「任意特定適用事業所」といいます)。
 さて、新拡大基準については、明確に「学生でないこと」という要件があります。一方、4分の3基準の方には、そのような要件はありません。つまり、次のようにまとめることができます。
4分の3基準を満たさない場合、1週の労働時間が20時間以上等の要件を満たしていても、学生であれば社会保険加入の対象外となる。
4分の3基準を満たす場合、学生であっても社会保険に加入しなければならない

 ご質問のケースでは、1日6時間、1週6日ペースでアルバイトをしているとのことですので、4分の3基準を満たしているものと思われます。したがって、あなたの場合、学生であっても社会保険の加入義務があるということです。
(なお、雇用保険については、原則として学生は加入の対象外です)
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 「学生は社会保険の対象外」と思われている経営者さんは非常に多いものです。今回取り上げた2つの基準を十分理解するようにしてください。
グルメキャリー357号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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