
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「1日10時間労働、日給1万円」の契約はどうなるか」

Q.
日給制の短期アルバイトを始めることになりました。1日10時間労働、日給1万円という契約なのですが、何か問題はありますか。
【24才 男性】

A.
その契約は、労働基準法に違反しています。労働基準法では、1日の労働時間は8時間までとなっています。労働基準法13条に、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効である」と定められています。「その部分については」とあるのは、違法となる部分だけが無効になることを意味します。契約全部が無かったことになるわけではありません。ご質問のケースでは、「1日10時間労働」の部分が無効になります。これを労働基準法の強行的効力といいます。
さらに13条は、「無効となった部分は、この法律で定める基準による」と続いています。つまり無効となった「1日10時間労働」は、労働基準法に定められた基準である「1日8時間労働」と置き換わります。その結果、「1日10時間労働、日給1万円」の当初の契約は、「1日8時間労働、日給1万円」という契約に、自動的に変更されることになります(ただし、明らかに時給計算という契約である場合は、解釈が異なることがあります)。これを労働基準法の直律的効力といいます。
さらに13条は、「無効となった部分は、この法律で定める基準による」と続いています。つまり無効となった「1日10時間労働」は、労働基準法に定められた基準である「1日8時間労働」と置き換わります。その結果、「1日10時間労働、日給1万円」の当初の契約は、「1日8時間労働、日給1万円」という契約に、自動的に変更されることになります(ただし、明らかに時給計算という契約である場合は、解釈が異なることがあります)。これを労働基準法の直律的効力といいます。
グルメキャリー181号掲載
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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