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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「退職を促されて辞めるのに、退職願が必要か」

質問1

Q.

仕事で失敗を続け、店長から退職を促されました。お店にも居づらいし、退職することに決めました。すると、「手続に必要なので、この退職願に署名するように」と言われました。渡された退職願の様式には、「一身上の都合により、○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」と記載されています。これは出さなければいけませんか。
【25才 男性】
答え

A.

 まず、重要なことは、絶対に『お店の言いなりになって「退職願」は書いてはいけない』ということです(以下、あなたがお店に残る意思は無い、という前提で続けます)。
 「退職願」とは、労働者の側から、「辞めさせてください」という意思表示のために提出するものです。今回の場合、あなたの方から「辞めたい」と言い出したわけではありません。お店が退職願を出せと言っているのは、後であなたの方から「不当解雇だ!」と騒がれたときの予防策として、「いやいや、自分から辞めると言ってきたんですよ」という証拠を残すことが目的なのです。
 では、今回は「解雇」にあたるかというと、これも違います。「解雇」とは、あなたの意思に関わりなく、お店の方から無理矢理に辞めさせることです。したがって、労働基準法に定められる解雇予告や解雇予告手当の適用もありません。
 今回のように、お店の方から「辞めないか」と退職を勧奨されて、あなたが「じゃあ辞めます」と承諾したケースは、「合意退職」といいます(もちろん、お店が脅して力づくで承諾させたり[強迫]、騙したり[詐欺]して合意させたものはダメです)。
 退職勧奨に応じて「合意退職」する場合は、あなたの方から辞めたいと申し出た内容の「退職願」は、絶対に書いてはいけません。そうではなく、お店からの退職勧奨に応じたという内容の「合意書」を作成し、お店とあなたの双方が署名するのが、適切な手続です。
 また、雇用保険に入っていた場合には、必ず離職理由が退職勧奨に応じたことになっている「離職票」を、お店に作成させてください。これで、失業給付を受ける際には、「解雇」と同じ扱いになります。
グルメキャリー190号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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