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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「罰としての清掃作業命令は許されるか」

質問1

Q.

私の勤めるお店では、遅刻を3回すると、罰として、グリストラップの清掃をしなければいけません。法律的に問題ありませんか。
【24才 男性】
答え

A.

 雇う雇われるの関係は、労働契約という契約の関係です。労働契約の基本的な権利・義務は、労働者が労働を提供し、使用者(お店)はその対価として賃金を支払う、というものです。実際の労働の提供は、使用者の指揮命令に従って行うことになります。つまり、採用時に、お店からの指揮命令に従うと合意があったから労働契約が成立したということもできます。この指揮命令権業務命令権ともいいます)は、使用者の裁量が許されています。しかし、裁量といっても、どんな命令でも無限に許されるわけではありません。例えば、違法行為、業務に不必要な作業といった業務命令には従う必要はありません。また、嫌がらせや見せしめのような不当な目的によるものや、人格権の侵害にあたるものは、裁量権の逸脱・濫用となり許されません。
 ご質問のグリストラップの清掃は、業務上必要な作業と言えなくもありません。しかし、懲罰的な意図で、見せしめを目的としている場合には、違法性が高くなるでしょう。
 そもそも、清掃作業を含めたクレンリネスは、QSCという言葉もあるように、飲食店においてもっとも基本となる原則の一つです。それにもかかわらず、清掃作業を懲罰や見せしめの対象となる「誰もが嫌がる作業」と位置づけているお店の姿勢は間違っています。クレンリネスは調理や接客と同じように、スタッフの誰もが真剣に取り組むべき、重要なメインの業務なのです。決して片手間でする作業ではありません。飲食店経営者は、そのことを認識しなければいけません。
グルメキャリー191号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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