
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「客層が若いお店は、求人に年齢制限をつけられるか」

Q.
現在、転職活動をしている40代の者です。先日、応募した飲食店の面接で「うちのお客様の年齢層は中高生がメインで、コミュニケーションの問題があるので、40才以上の方はちょっと…」と言われました。こういった理由で不採用とするのは許されるのですか。
【41才 男性】

A.
雇用対策法という法律において、労働者の募集・採用に関して、かつては「その年齢に関わりなく均等な機会を与えるように努めなければならない」と、努力義務として定めていました(旧7条)。そして、この努力義務の例外にあたる一定の事例が、厚生労働省から「指針」として出されていました。この指針の中で、「特定の年齢層を対象とした商品の販売やサービスの提供等を行う業務について、顧客との関係上、業務の円滑な遂行を図る必要」がある場合は、年齢制限禁止の例外とされていました。つまり、当時はご質問のケースも許される可能性がありました。
しかし、同法が平成19年10月に改正され、年齢制限禁止は「努力義務」から「義務」になりました(現10条)。同時に、「指針」は「施行規則」へ強化され、先述の条項は例外事例から削除されました。したがって現在は、「客層が若い年齢層なので、中高年齢者は採用しない」というのは、明らかな法律違反となります。
しかし、同法が平成19年10月に改正され、年齢制限禁止は「努力義務」から「義務」になりました(現10条)。同時に、「指針」は「施行規則」へ強化され、先述の条項は例外事例から削除されました。したがって現在は、「客層が若い年齢層なので、中高年齢者は採用しない」というのは、明らかな法律違反となります。
グルメキャリー192号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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