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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「解雇の有効性を争うために、解雇予告手当の受領を拒否する場合」

質問1

Q.

 先日、お店から突然解雇を告げられ、その場で解雇予告手当を現金で払おうとしてきました。私は解雇を認めたくなかったので、受け取りませんでした。これでも解雇は成立するのですか。
【32才 男性】
答え

A.

 「この解雇は無効である」と争うつもりがあるなら、解雇予告手当を受領しなかったのは正解です。なぜなら、解雇予告手当を受領することで、使用者(お店の側)による解雇の意思表示を受け入れたと判断される可能性が生じるからです。「解雇予告手当を受領しただけでは解雇を認めたことにはならない」とする裁判例もありますが、それでも、受け取ってしまうと、後々使用者にとって有利な材料となることは確かです。
 ただし、労働者が解雇予告手当を受け取らなかったからといって、労働基準法上、使用者の解雇予告義務違反にはなりません。一言で言えば、「受け取ろうとすれば、いつでも受け取れる状態」になっていれば、それで解雇予告手当の支払義務は果たしたことになるのです。
 具体的には、
(1)解雇予告手当を郵送で労働者宛に発送して、労働者の生活の本拠地に到達したとき(労働者が受領しようがしまいが、家にいようがいまいが、関係なく)
(2)使用者が「解雇予告手当を支払うので取りに来てください」と労働者に通知をしたのに、取りに来なかったとき
の2例について、行政解釈では解雇予告手当の支払義務を果たしたことになるとしています。
 また、使用者が解雇通告した上で、解雇予告手当の受領を拒否された場合には、法務局に供託することも可能であり、この場合も労働基準法違反にはなりません。
 さて、この後お店の側から、一方的にあなたの口座に解雇予告手当が振り込まれてくることも考えられます。この場合にも、振り込まれた金銭には手をつけず、返還する意思があることを、お店に対し内容証明郵便で伝えてください。その上で、法務局に供託するのが、適切でしょう。
グルメキャリー206号掲載
イラスト

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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