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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「未成年のアルバイトを、親が勝手に辞めさせることができるか」

質問1

Q.

  私は、19才の大学生で、居酒屋でアルバイトをしています。大学の成績が悪くなり、先日の試験では単位をたくさん落としてしまいました。父親はカンカンに怒り、「毎日のように深夜までアルバイトをしているからだ! 自分でバイトを辞めないのなら、オレが店に行って辞めさせる!」と言っています。親が勝手に、子供のアルバイトを辞めさせられるのですか。 
【19才 男性】
答え

A.

  未成年者の労働契約を、親権者が解除することは可能です。
 まず、民法の世界では、未成年者が法律行為をする際には、法定代理人(親権者または未成年後見人)の同意を得なければならないとしています(民5条1項)。そして、この規定に反する法律行為は取り消すことができることになっています(同2項)。アルバイトとして働くということは、お店と労働契約を結ぶことであり、「法律行為」にあたります。また、法律行為を最初から無効とはせずに、一応は有効としておき、取消権の行使によって無効にすることを「取消」といいます。つまり、親の同意無しに労働契約を結んでアルバイトをすることは一応できるけど、親は後から取消によって、その労働契約を無効にすることができるということです。
 次に、労働基準法の世界では、親権者等は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向かってこれを解除することができる、としています(労基58条2項)。親が同意していなければ民法の規定で取消が可能であることに加え、たとえ同意をしていても、未成年の子に不利と判断した場合には、将来に向かって労働契約を解除できるということです。また、仮にそれが子の意に反する(辞めたくない)場合であっても、親は一方的に辞めさせることができます
 「未成年者に不利である場合」とは、親権者等が不利であると認めさえすればよい、と考えられています。ただし、親から使用者(お店の側)に対する感情の好悪や、未成年者またはその交友との心情の相違など、親の都合にもとづく解除権の行使は権利の濫用として効力を生じない、とする裁判例があります。
グルメキャリー255号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

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