[an error occurred while processing this directive]
フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「自転車通勤者を許可制にすることと、許可基準について」

質問1

Q.

  飲食店でアルバイトをしています。先日スポーツタイプの自転車を買ったので、軽い気持ちで店長に「明日から自転車で通います」と伝えたところ、「お店には駐輪スペースがないので、自分で駐輪場を契約して、それを証明する書面を提出してください。また、任意保険に加入してその保険証書のコピーも提出してください。それらを提出しないと、自転車通勤を許可しません」と言われました。たかが自転車通勤で大げさではないですか。 
【24才 男性】
答え

A.

  健康やエコへの関心の高まりから、数年前に自転車通勤がブームになりました。しかし、自転車通勤には、違法駐輪の問題、交通事故の被害者や加害者になるリスクを伴います。雇用している企業側としても、場合によっては使用者としての責任を追及される可能性があります。そのため、自転車通勤を認めるかどうかを含め、自転車通勤に関する社内ルールの策定が進められているのが、昨今の流れです。
 また、平成25年7月には、東京都で「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」(自転車安全利用条例)が施行されました。この条例では、自転車で通勤する従業員がいる事業者には、一定の社会的責任があるとの考えから、事業者に対する規制が定められています。まず、通勤に使われる自転車が放置されることのないように、事業者自身が駐輪場所を確保するか、従業員が駐輪場を確保していることを確認することを義務づけています(30条)。この従業員への確認は、書面でしなければなりません。ここでの自転車通勤には、自宅から駅やバス停まで自転車を利用している場合も含まれます。また、従業員には、パート・アルバイトも含まれます(ただし、1ヶ月以上雇用することが見込まれない従業員を除く)。そのほか、事業者には、自転車通勤をする従業員が自転車を安全で適正に利用することができるように、研修の実施、情報の提供その他必要な措置を講じる努力義務が課されています(14条)。一方、自転車利用者に対しては、自転車損害賠償保険等へ加入することが努力義務となっています(27条)。
 ご質問のケースを考えてみます。お店が自転車通勤を許可制にし、駐輪場の契約を証する書面を提出させているのは、正しいことです。また、交通事故の加害者となった場合の企業リスク対策として、任意保険の加入を許可の条件にしているのも適切と言えます。今の時代は、「たかが自転車通勤」と簡単に考えることはできないということです。
グルメキャリー259号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

業務案内:給与計算、労働・社会保険の手続き代行、就業規則の診断・作成 店長・管理職対象労務研修の実施、人事・労務相談

お問い合わせはお気軽に! E-mail:info@SR-hisano.com URL:www.SR-hisano.com TEL:03-3906-4636 FAX:03-3906-2722
[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive]
第26回 飲食×レストラン業界合同企業説明会 秋葉原 秋葉原UDX 2F アキバ・スクエア
[an error occurred while processing this directive]