
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「懲戒処分のルールについて」

Q.
先日、職場で問題行動を起こしてしまいました。お店からは懲戒処分として、一週間の出勤停止(この期間は無給)と月給の10分の1の減給を命じられました。これは厳しすぎませんか。
【24才 男性】

A.
経営者には、企業秩序を維持するために、従業員に対して制裁罰として懲戒を科す権利があるとされています。しかし、従業員にとって懲戒は大きなダメージを受けることになります。そのため、懲戒処分が有効となるためには、裁判例によってルールが確立しています。
まず、懲戒処分をするためには、どんなことをしたらどんな処分をされるのか、懲戒の事由・種類・程度が就業規則に定められていることが必要です。逆に言うと、就業規則の無い職場では懲戒処分はできません。また、この懲戒の規定が定められる以前の行為に対して、遡って処分することはできません。同一の行為に対して二重に処分することもできません。そして、規律違反行為と処分の重さがつり合うもの(相当性の原則)でなければいけません。
ご質問のケースは、どのような問題行動を起こしたか不明なので、処分の重さの相当性は判断できませんが、出勤停止と減給の二重処分をしているので、適正ではありません。
まず、懲戒処分をするためには、どんなことをしたらどんな処分をされるのか、懲戒の事由・種類・程度が就業規則に定められていることが必要です。逆に言うと、就業規則の無い職場では懲戒処分はできません。また、この懲戒の規定が定められる以前の行為に対して、遡って処分することはできません。同一の行為に対して二重に処分することもできません。そして、規律違反行為と処分の重さがつり合うもの(相当性の原則)でなければいけません。
ご質問のケースは、どのような問題行動を起こしたか不明なので、処分の重さの相当性は判断できませんが、出勤停止と減給の二重処分をしているので、適正ではありません。
グルメキャリー96号掲載
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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