
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「出向に関する労働者の同意について」

Q.
今のお店とは別の業態を経営しているグループ会社へ1年間の出向を命じられました。この業務命令には従わなければいけないのでしょうか。
【26才 男性】

A.
出向(在籍出向)とは、出向元の会社に在籍したまま、出向先の会社で指揮命令を受け業務に従事する形態の人事異動とされています。出向元、出向先の両方で雇用関係が存在することになります。このような企業間の異動は、会社は自由に命じることはできません。原則として労働者の同意が必要となります。ただし、出向に関しては、その都度個別の同意を得なくても、入社時に出向に関する合意が成立していたり、就業規則において具体的な出向規定が定められている場合には、包括的な同意があったものとして、出向命令は有効になります。それらが存在しないならば、一方的な出向を命じることはできませんので、個別の同意を得なければなりません。
ただし、会社間の密接度など具体的な実態によっては、会社内の人事異動と同じものと判断される場合があります。その場合は、同意は不要となる可能性があります。
ただし、会社間の密接度など具体的な実態によっては、会社内の人事異動と同じものと判断される場合があります。その場合は、同意は不要となる可能性があります。
グルメキャリー97号掲載
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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