
※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。
「「退職時等の証明」の交付義務」

Q.
求人情報を見て応募したお店から、前に勤めていたお店での就業期間や業務について、証明書を提出するように言われました。前の勤務先はあまりいい形で退職しなかったので、証明してくれるかどうか分からないのですが…。
【24才 女性】


A.
労働者が、退職の場合において、(1)使用期間 (2)業務の種類 (3)その事業における地位 (4)賃金 (5)退職の事由(解雇の場合はその理由を含む)について証明書を請求した場合、お店の側は遅滞なくこれを交付しなければなりません(労働基準法22条)。また、この証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはなりません。ご質問のような転職活動の際に利用できるようにというのも、この規定の趣旨の一つです。労働基準法で明確に定められた義務ですので、どういう辞め方をしていたとしても、前の勤務先は証明書の交付を拒否することはできません。
グルメキャリー99号掲載
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ


特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE
昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。
ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201
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