飲食業界で働く方の多くが目標にする「独立開業」。
独立すると決めてから実際経営に至る中で起こる問題を質疑応答形式でお答えします。
開業準備中ですが、スタッフ教育は何に注力すれば良いでしょうか?
オーナーの私と料理長以外は、全員パート・アルバイト(P・A)でホールサービスを行う居酒屋です。開業時のサービスが悪いと、店舗の評価が低いまま定着してしまうことが多いと聞き、心配です。どうすれば良いでしょうか?(居酒屋/45才/男性)
当たり前のことを「必ずやる」「できるまでやる」「反復練習を忘れずに」
飲食店は、ホールの形態やサービス内容により、そのオペレーションが各店で違います。しかし、「接遇」はどんな店舗・商売も基本の考え方は同じでしょう。基本を徹底的に訓練することで大体のことは対応できます。飲食店の基本とはどのようなものでしょう。
- (1)コミュニケーション:笑顔で明るい挨拶や応対
小さな声の接客ほど、顧客の不安や苛立ちを増幅させます。素敵な笑顔と、明るく聡明でハキハキとした受け答えが重要です。
→接客用語の唱和とロールプレイングを実施します。
- (2)配膳やバッシング:丁寧で確実な作業や動作
店舗内では、以下を把握することが必須です。
(A)どこに何があるか (B)メニューごとの使う食器 (C)メニュー名や内容説明
これらが全て揃って、確実なサービスを提供できます。そして、焦らず丁寧に応対することを指示します。
→ロールプレイング、そして調理場との連携確認、整理整頓で収納場所を覚えましょう。 - (3)ホスピタリティ:常に先を読む準備を怠らない
例えば、1F店舗などは店外にいるお客様の様子がわかる時があります。このような時はあらかじめ案内する座席を想定して、来店されたらすぐご案内できるように準備することが必要です。
→来店前~接遇~お見送りまでの具体的なケーススタディで訓練します。 - (4)プロフェッショナリティ:自信を持たせること
開業時のサービスは、誰しも慣れるまで時間がかかります。だからこそ「これだけやったのだから大丈夫!」と思えるだけ訓練するのが理想です。しかし、オープンのギリギリまで工事が行われて、教育や開店準備がままならないことはよくあることです。その際にも、上記のことだけは実践し、スタッフに自信を与えるような声かけを積極的に行います。
→本日の学びと理解などを報告させ、その評価をします(指導と褒賞)。 - (5)成長の仕組:反復練習と訓練の高度化
教育と訓練は開業時だけで終わるわけではありません。幾つかのレベルに分けて、一つクリアしたらその上のレベルをと、高いレベルまで駆け上がるようなプログラムと指導を心がけてください。常にチェックしないとクオリティ低下を招きます。
→定期的な勉強会、小テスト、職位別報酬やインセンティブなども効果的です。