飲食業界で働く方の多くが目標にする「独立開業」。
独立すると決めてから実際経営に至る中で起こる問題を質疑応答形式でお答えします。
2017年9月掲載
メニュー開発で注意することは?
店舗リニューアルに際し、メニューも一新しようと考えています。どの様なことに注意すれば「儲かるメニュー」が出来上がるでしょうか?(創作料理ビストロオーナー/35才/女性)
儲かるメニューの5原則を意識しよう!
「お客様の望む価値を正しく伝えて、ご満足いただけるメニュー」が求められています。お客様は商品そのものだけではなく、「感情的価値=ベネフィット」と呼ばれる「感動や満足を引き起こす感情」に影響されます。店舗の儲けを優先するとお客様不在の戦略になり、必ず失敗します。
- (1)儲けより信念
付加価値のない価格設定(儲け主義)に陥らずに、飲食業の基本(情熱/ホスピタリティ/創造力/顧客満足/安心安全)を基本方針とします。
・お客様の価格感度(予算内着地)
・お店の独自性とそこで得る感情や便益(それこそが購買する理由)
- (2)独自性を表現
お客様から見て独自性を備えたメニュー、つまり「選ばれる理由」のあるメニューを作り上げましょう。
・インパクト(第一印象が全て)
・他に代替えできない(少なくともその商圏内、又はわざわざ来る)
・そこで得る感情や便益(それこそが購買する理由) - (3)ストーリー性がある
お店独自のメッセージをメニューに載せて、物語のようにお客様の心に届けてますか?
・コンセプトや主義主張、お店のウリが伝わるメニュー
・食事開始の期待感とメインの楽しみ、デザートの華やかさなどで構築 - (4)儲ける×儲けなくてもよい=計画通りに儲けよう!
「儲けるメニュー」と「儲けなくてもいいメニュー」 の2つで構成します。
・儲けるメニュー:お客様に判り易く戦略的にオーダーを集約して売上をしっかり稼ぐメニュー
・儲けなくてもいいメニュー:原価率高いが集客の目玉となる看板メニュー、利益還元型メニュー
例)一番人気メニューは粗利高を抑えてでもお値打ちに提供(儲けなくてもいい)。しかし、同じくらいの出数の定番料理は収益率を最大限高める(儲ける)。 - (5)原価率を気にしすぎない!
原価率を気にするあまり、使用食材や盛り付けにインパクトがなくなったり、儲かるメニューと儲けなくていいメニューの差異がなくなり、注文(売上)にばらつきがでて、逆に収益を確保できなくなります。
・メニュー全体で平均原価率をクリアすれば良い
・単品毎に平均原価率に押し込む必要はありません