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第14回 コムム

2012.8.23
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イタリア好きには濃厚なひととき。イタリアンを知らない人には新しいい発見。

イタリアが好きで、毎年イタリアを旅するシェフの宮沢陸也さんとソムリエの直美さん。ご夫婦でお店をオープンさせたのが2005年。根津という下町風情あふれる町で、イタリアの食文化を濃厚に表現しています。

店名の「コムム」とは、北イタリア、ロンバルディア州にあるコモという町の中世ヨーロッパ時代の名称から取ったもの。

店内の空間づくりは同じロンバルディア州のコモ湖をイメージして作られました。なるほど、天井のステンレスを見上げると、なんだか湖の底から水面を見上げているような気分に♪

カウンターには、ナポリのエスプレッソマシンがどーんと設置されています。これで一度に二杯のおいしいエスプレッソが抽出されます。

イタリア製の生ハムスライサーも見えます。これでイタリア産の生ハムがきれいな断面を見せて盛り付けられるのですね。壁の黒板には、おふたりがセレクトされたイタリア産ワインがずらりと手書きされています。

写真は人気メニューの「ズッパ ディ ペッシェ」。イタリア沿岸部の料理スタイルだそうで、白ワインやトマトソースをベースにしたスープの中で様々な魚介たちが豪快に投入されています。

「イタリアを旅すると、まだまだ新しい発見があるんですね。私たちが体験した今のイタリアを、ここ『コムム』で提供していきたいと思っています」と語るのは、自称:イタリアおたくの宮沢シェフ。濃厚なイタリアンのひとときを、気軽に根津で楽しめる。こうしたお店が根津で見つけたことが私にとっては新しい発見でもあります。

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「この料理、どうやってつくるの?」「じゃあ、キッチンに入ってこいよ!」

オーナーシェフでもある宮沢さんは、都内のレストランをメインに腕を磨いてきました。イタリアに滞在して修行を積んだわけではありません。でも、自分の店をオープンしてからは毎年ご夫婦でイタリアへ出かけ、人に会い、新しい食材を発見し、レストランやバールを食べ歩きます。

店をオープンしてからの方が、イタリアの食文化を深く勉強しているわけですね。

「気になるレストランに入って、お店の人たちとお話しすると『キミたち、イタリアが好きでレストランまでやっているんだ!』と、すぐ友だち関係になれるんです。そして美味しい料理に出会うと、『うまい! この料理、どうやってつくるの?』と尋ねる。そうするとね、『じゃあ、キッチンに入ってこいよ! どうやってつくるのか、実際に見せてやるかさ!』って(笑)。美味しいものが食べれて、その場で勉強までできちゃう」

本当にその地方の食文化が好きだということが伝われば、あとは同じ人間。なんでもオープンな関係性が築けるのですね。

修行時代にイタリアへ行けばいいっていうものでもなく、「好き」でありつづけることや「もっと知る」ことへの向上心の方が大事なのかもしれません。

「イタリアの食文化を広い視野で学んだ方がいいと思っています。例えば、肉じゃがの中に入っている肉が鶏でも豚でも牛でも、それを日本人なら『これは肉じゃがだ』って感じると思うんですね。それをイタリアの郷土料理にはこの食材が入ってなきゃダメ!みたいに考えるのはおかしいでしょう? 料理ってそういう広い視野が必要だと思うんですよね」

イタリア好きはもちろん、イタリア料理を勉強している人にもここは刺激になるお店かもしれませんね!

ナポリ製のエスプレッソマシンを導入。直美さんの手の一部のように機能し、美味しいエスプレッソが二杯同時に完成します。

ワインのこと、本日の料理のこと、そして毎年旅するイタリアのことを何でも話してくれる直美さん。イタリア好きが集まるお店なのです。

黒板の壁にはワインの銘柄がびっしり書かれています。他の壁をよく見ると、子供たちの「おいしかった!」と感想も落書きされていました。

店舗情報
バール・オステリア・コムム(bar hosteria COMUM)
東京都台東区谷中1-2-18
tel.03-3823-4015
営:カフェタイム 14:00~18:00
     ディナータイム 18:00~23:00(L.O.)
休:火曜日
交:地下鉄千代田線根津駅徒歩4分
<予告>次回のリレーキーワードは?
「コムム」業界の大先輩「三代目なばや」

「コムム」さんでは毎月「ジャズナイト」を開催しています。また子供たちの落書きもあったりして、地元に愛されているレストランであることが分かります。さて、次のお店としてご紹介いただいたのは老舗の焼き鳥屋さん。「『なばや』の横山さんとはご近所ということもあって親しくさせていただいています。炭火の焼き鳥もとても美味しいですョ」。ありがとうございます。それでは次回、湯島の「三代目なばや」さんでお会いしましょう。

文:高木 正人
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