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第62回 くわっち~ 桂原 誠さん

第62回くわっち~

2014.9.18
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スタッフの多くは徳之島出身。メニューには、ワンフニという郷土料理も。

スタッフの多くは徳之島出身。メニューには、ワンフニという郷土料理も。

「くわっち~」とは沖縄のことばで「ごちそう」を意味します。メニューをひろげると、ほんとうにたくさんのごちそうが並んでいます。

「沖縄料理のファンにはもちろん、そうでない人にもおいしいと思っていただけるように、沖縄にない料理も取りそろえ、みなさんに笑顔になっていただける店づくりをめざしているんですょ」

そう語ってくれたのは、桂原誠さん。出身は、沖縄ではなく、徳之島だそう。

店長としてチームをひっぱる存在ですが、キャラはとてもゆる~い感じ。なぜなら、スタッフのほとんどが徳之島出身のファミリーだからなのです。

島の人たちらしく、みなさんとても気さくで、料理をつくりながら、料理を運びながらも、陽気にコミュニケーションを交わし、あたたかい家族的な雰囲気が店全体に漂っています。

沖縄も好きですが、いつか徳之島にも行ってみたくなりますね。

おっと、夜光貝のバター焼きなんてメニューも発見。沖縄の公設市場あたりでは、アクセサリーの素材としても知られている美しい貝ですね。

と、思いつつも、私は定番の「沖縄そば」をオーダー(笑)。オリオンの生ビールで喉をうるおしたあと、カツオ節のきいたスープをごくり。コーレーグースを注ぎ入れ、かまぼことともに麺をツルリン。眼前に、伊勢丹を望みながら食す沖縄そばも、また格別です♪

オーダーするときの、スタッフとの間合いもお客とスタッフというより、家族に話しかけているような感覚になるのも、不思議な魅力。

「徳之島には、ワンフニという郷土料理があるんです。メニューでは分かりやすく、塩ゆでとんこつとして表記しています。徳之島や奄美では豚肉を塩漬けして保存する習慣があって、それを戻してやわらかく煮たものなんです。ビールにも泡盛にもぴったりなんですょ」

8時間煮込んだラフティーや1番人気のゴーヤチャンプルーなどもおすすめだそう。

あたたかい人の魅力と、丁寧につくられた料理のおいしさが「くわっち~」さん最大の魅力ではないでしょうか。

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課題は、冬の集客アップ。〆のあつあつ鍋料理を提案中。

課題は、冬の集客アップ。〆のあつあつ鍋料理を提案中。

「お恥ずかしながら、飲食店の経験はないんです。父親からいきなり、店を任されまして。スタッフみんなで試行錯誤しながら、店づくりをしているところです」

ここ新宿三丁目のお店とともに、「くわっち~ 野方店」も展開するほどの人気店として成長中なのですね。

キッチンに立つ桂原さんに、カメラを向けると……。

「いや、僕ひとりでは恥ずかしいなぁ。ちょっと待って」

そう言って、親戚のスタッフを連れてきて、そばをつくるシーンを演出してくれた桂原さん。店長でありながら、謙虚で恥ずかしがり屋さん。そしてスタッフに気を遣うやさしさも持ち合わせています。

撮影中も、他のスタッフたちから、冷やかされたり、チャカされたり(笑)。こんなところにも、ファミリー経営のあたたかさを感じるのでした。

そんな桂原さんの今の課題は、「冬」のメニュー開発。

「徳之島でも、沖縄でも、郷土料理は一年中食べられているのに、沖縄料理店という看板を掲げると、お客さまにとっては夏の料理というイメージが強いですよね。そのため、夏のシーズン中はご来店も多く、店は賑やかになっていいのですが、冬は少しお客さまの集まりが弱くなってしまうのが課題であり、それを乗り越えるのが私のテーマでもあります」

そこで、冬に提案しているのが「鍋」料理!

沖縄味噌ちゃんこ鍋や国産豚のしゃぶしゃぶ鍋といったあつあつ鍋料理をオンメニュー! 野方店では三元豚のオイルしゃぶしゃぶが名物料理に。

唄三線を聞きながら、もずくの天ぷらやゴーヤのおひたしをつまみに古酒で一杯。鍋で〆るなんていう愉しみ方、ありですよね。

「お客様が楽しく笑顔で帰って頂ければ、それが一番の喜びです。幸せな気持ちになります」と語る桂原さん。桂原ファミリーのダイニングにお邪魔して、愉しいひとときを味合わせていただきました。

「くわっちー さびたん!(ごちそうさまでした)」

カウンターはおすすめの席。コーレーグースの向こうに伊勢丹を望みながら、ゆったりと泡盛を愉しみたい。

酒造所のラベルが壁に貼られるなど、沖縄の調度品で埋め尽くされた店内。中央にはシーサーがおでむかえ。

ランチ、ディナーともに、家族的なあたたかさいっぱいのスタッフがテンションあげながら仕事をしています。

店舗情報
琉球茶屋 くわっち~
東京都新宿区新宿3-11-11 ダイアン新宿ビル5F
tel.03-5755-5757
営:ランチ月~金11:30~15:00
ディナー月~日17:00~24:00
休:不定休
交:各線新宿三丁目駅徒歩1分
<予告>次回のリレーキーワードは?
「くわっち~」島つながり「次郎亭」

南の島の人々は、おおらかで何でも受け入れようとする。桂原さんたちのそんな姿勢が沖縄料理だけでなく、だれにも喜ばれるようなメニューをつくっているのかもしれませんね。さて、次のお店をご紹介いただきました。「仲良くさせていただいているお店が高田馬場にあります。宮古島出身の平良さんのお店『次郎亭』、ここはうち以上に家庭的な居心地のよさが魅力です。沖縄ナポリタンは絶品です!」。ありがとうございます。それでは次回、高田馬場「次郎亭」でお会いしましょう。

文:高木 正人
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